小説版 『幸運対菓』 その2
幸運対菓
ラスグレイブ探偵譚より 著作『チームレッドへリング』
【本作のアプリ版、電子書籍版などは此方から】
そんなことがあって一週間ほど経ったある日。
私とクラリティはパブ・イロジカルでランチを取ろうと店に向かっていた。
「ん……なんだ、この行列」
「あ、この列、イロジカルからずっと続いてるみたいですよ」
見れば、確かにイロジカルの店内からずらっと行列が続いている。オープンカフェもほぼ満席状態だ。
私の知る限り、この店に行列が出来たことなんてない。料理の質、ではな