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意外と知らない紙の話#04 断裁

今回は『断裁』についてご紹介します。
断裁とは「紙をたちきること」です。

「え?単に紙を切ることが記事になるの?」

と思われる方もいらっしゃるのではないかと思いますが
断裁についての知識があると、ちょっとだけ商品開発の自由度が広がります。そんな、断裁の話をしていきます。

断裁っていつやるの?

断裁を行うタイミングは、加工前(印刷・抜き加工など)と加工後(主に印刷後)がありますが、今回は富国紙業株式会社で行っている加工前の断裁についてお話していきます。

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加工前に断裁を行う理由は主に3つあります。

1.機械のサイズに合わせるため
 例えば、印刷をする際、大きなものや大量に印刷する際は大型機、小さいものや少量の場合は小型機を使用します。小型機には、大きな紙は入らないため、原紙を断裁して適切なサイズにしたりします。

2.デザインの実現性を高めるため
紙が数ミリでも不揃いだと、後の印刷や抜きの工程でどんどんズレが大きくなってしまします。原紙の紙は一見すると同じ大きさに見えますが、実は、数マイクロメートルのズレがあります(下画像参照)。

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そこで紙の四方向を断裁し(化粧断ち)、紙の大きさを同じに揃えておくとその後のズレを軽減することができます。また、化粧断ちをすると四方から紙が抑えられるため、紙と紙の間が真空になり、紙がズレづらくなります。

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ただし、化粧断ちをすると、1辺につき0.5mm程度小さくなるので、面付がぎりぎりの場合はご注意ください。

3.紙粉を少なくするため
紙を断裁すると、微小な紙の粉末(紙粉)が断面に付きます。
紙の粉をそのままにしておくと、印刷のローラーに紙粉が付着し、インクの定着を邪魔してしまう場合もあります。化粧断ちした後に、もう一度断裁することで紙粉を落とすことができます(紙粉断ち)。

ただし、紙粉立ちすると、1辺につき1mm程度小さくなります。

富国紙業の断裁について

マニアックすぎる情報ですが、断裁の流れについてご紹介します。
担当しているのは、弊社の断裁担当のベテランKさんとMさんです。
現在弊社では、コロナ感染対策のため現場もマスクを付けて作業しています。暑いのにスピーディに断裁する姿は惚れ惚れしますね!

①倉庫から運ばれてきた紙のワンプ(紙の包装紙のこと)をはずす。

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②断裁する

裏側からみるとこんな感じです。

③ワンプで包む。

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④加工屋さんに運ばれていきます。


おわりに

長くなりましたが以上になります。紙をお選びになる際の参考になると幸いです。

皆様のご意見やご感想お待ちしております!
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