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『八雲さんは餌付けがしたい』というマンガにハマった。

我が家はお世辞にも裕福ではないから、家族の欲しがる物をあれやこれやと何でも買ってあげる事は出来ない。それについてはひとえに己が不徳と致すところであり、稼ぎの少なさを家族に謝罪しながら毎日を低頭平身で生きているというのはウソだピョーン。でもわたしの稼ぎが今より良ければ奥さんや娘たちの望みをもっともっと叶えてあげられたんだろうなぁなんて事を思いながら日々を過ごしているのは本当。

そんな我が家ではあるけれど、こと『本』に関してだけは財布のヒモが破滅的に緩いというかチャックが壊れて経済観念がダダ漏れしてやすぜダンナァ状態だったりする。なぜかというと奥さんもわたしも本が好きだから。ナスを好む人は100パーの確率でズッキーニも好む傾向にある事が科学的に証明されているのと同様に、本好きのわたし達はブックオフをこよなく愛している。

だから週末になるとブックオフをハシゴする事も珍しくはない。でも立ち読みはノー。いくらブックオフサイドが許していてもノー。だって立ち読みジャマじゃん。ただでさえ狭い通路にはびこって痴漢よろしく商品をベタベタと触りまくった挙句に買わない。知らないけどたぶん絶対に買ってない。まぁ買わなくてもいい。でもどいて。その棚見たいからちょっとでいいからどいて。おどきになってねTEACHER。あとそこなお子様。せめて立ち読みにして。通路に座り込んでの座り読みはしないで。それがブックオフにおける無課金ユーザーのせめてもの作法。立ち読みが許されているからと言って他者の邪魔になっていいわけじゃない。考え違いをしないでほしい。

いま我が家のメンブァーがハマっているのはマンガだ。少し前にわたしが家族に向けてプレゼンした企画『読んだことのないマンガの一巻だけを買って面白いマンガを新規開拓しよう』が見事に採用の運びとなったからだ。そして今回新たに発掘されたマンガが、タイトルにもある『八雲さんは餌付けがしたい』だ。

厳密には長女が発掘したマンガだけど読んだらとても面白かったので、長女にはわたしが発掘したことにしてもらった。

八雲柊子という28歳の未亡人が、ひょんなことから隣の部屋で一人暮らしをする16歳の男子高校生に食事を作って食べさせる。それがストーリーの骨子。料理は出てくるけどグルメマンガではないので作中に細かいレシピが出てきたりはしない。感想という体で料理の詳細を説明しまくる世界の渡部改め多機能トイレ男爵(1万円)みたいな輩も出てこない。食べると突如「ウンメエェェ!!」と激しくヤギ化する不審人物も不在。非常に好感の持てる作品。

恋愛要素はほんのり。普段お酒を嗜まない若奥さんが記念日に少しだけ梅酒を口にした時に頬にさす桜色くらいのほんのり具合。今のところ八雲さんはただ食欲旺盛な男子が美味しそうにガツガツとご飯を食べる様子を見ていたいだけっぽいけど、大和くんサイドは八雲さんに恋愛感情を持ってそうな感じはある。

そのほんのりもまた良い。恋愛要素が薄いんだ。このシチュエーションに恋愛がガッツリ絡んできたり、あまつさえエロ要素なども含まれてくると、この作品の良さが失われる気がしてならない。いや、ほんの少しのエロ要素はあるにはある。でもそれは相手が年頃の男子高校生だから、そういう要素も描かないと逆に不自然でしょってくらいの、いわばいい意味のエロ。ノンエロリー。いやエロリーハーフ。

そのさじ加減が絶妙に良い。わたしが思うにこれはきっと作者の方が女性だからではないか。これが男性の作者ならこうはならないだろう。きっとエロねーちゃんとエロガキが織りなす単なる『エロストーリーは突然に』にしかならなかったはずだ。あるいは『東京エロストーリー』か。いや『エロという名のもとに』も捨てがたい。あるいは『エロジェネレーション』の線も考えられるな。待て待て。『一つエロの下』を忘れるところだった。そしてここは一気に『振り返ればエロがいる』で畳みかけるか。おっとそっちが医療モノで来るならこちらも考えがある。いいのか? 『エロい巨根』を出すぞ。間違えた『エロい巨根』だ。また間違えた『エロい巨塔』。

ここまでは以前に書いて投稿した記事だけど、今回この作品を読み終わったのでちょっと追記。

結論、わたしの理想通りの結末ではなかった。ネタバレになってしまうから詳しくは書かないけど、結末を受け手に委ねる感じだったのが個人的には残念。これいちばん苦手なタイプの結末。100人の受け手がいたら100人の結末があるみたいなの苦手。それをされるとどれだけ過程が良くても全てが無駄になったと感じる。射精の瞬間に勢いあまってペニーレインが抜けて外田氏になった。誰? しかもコンドームの中に。でも言ってみればこれも中田氏か。誰? カオス。それが昨夜。わたしのブログはエロリー過多。悔い改めたいと思います。

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