【小説】500文字しばり/小豆婆
慌てた様子でスクールバスに飛び込んで来たマイク。何も言わずに隣の席に座ると、開口一番とんでも無い事を言い出した。
「なあジョン、落ち着いて聞いてくれ」
「日本には全身が石よりも、なんなら金属よりも硬い婆さんが居るらしいぞ…!」
「hahaha!おいおい変なものでも食ったのか?」
「いくら忍者の国だとは言え、それはあり得ないぜ!」
表情から冗談では無いと理解した俺は続きを聞く。
「日本から転校して来たケンの話を途中から聞いたんだ」
「その婆さんの名前は”イムラヤ・アズキ”と言うらしい」
「イムラヤ…日本ではポピュラーな苗字なのか?」
「その婆さんは顔面、特に歯を狙って攻撃してくるんだそうだ」
「これまでも何人もの人間を病院おくりにしたとかしてないとか」
「なるほど…交戦的なんだな」
「ところでその婆さんはどうしてそんなに硬いんだ?」
「詳しくは分からないが、人工的なものには頼っていないらしいぞ」
「自然のパワー…」
「そんな婆さんの弱点は炎天下らしい」
「確かに…年を重ねると暑い日は苦痛だろうな」
「それとコレが一番驚いたんだが」
「ケンは夏になると食べたくなるらしい」
「WOW…ケンは熟女好きなんだな」
「仲良くなれそうだ」
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