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呪われた女 22

             立川M生桃


たけのこ婆は考えた。竹藪の山が枯れてからと言うもの、誰一人、山に寄りつかなくなった。般若湯を欲しがる、あの、アル中の天狗までも来なくなったのだ。

くそったれ。アル中天狗の爺め。あれだけ、般若湯を飲ませてやったのに・・。全然寄りつかないじゃないかい。

あの若い女に会いに行こうにも、行けやしないじゃないかい。

これだけ、試行錯誤して駄目なら・・・。誰かに頼らないと・・。

あっ!そうだ。あの若い女は、近くの毘沙門さんのお堂に来るかもしれない。

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あそこで、待つことにしよう。

早速。たけのこ婆は、お堂の前で待っていると若い女が現れた。

若い女が、たけのこ婆に、お前さん。また何やら変な考えを起こしたようだね。

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私のお祀りする仏様にお布施をすれば、良いことを教えてやろう。

どうかい?できるかい? お布施? 一体何をどれぐらいお布施すれば良いんだい?

若い女が、お前さんの、その竹藪の山をおくれよ。そしたら良いことを教えてやろう。

あんた。馬鹿かい? わたしゃぁ。この竹藪の山が枯れたから、どうしても復活させたいんだよ。

それが、私の願いなのに。なんで? それをあんたに渡すんだい。

馬鹿も休み休み言っとくれ。そうたけのこ婆が言うと、若い女が、お前は、本当に馬鹿だよ。後悔しても知らないよ。本当に良いんだね。

あんたは今、チャンスを逃したんだよ。もう言わないよ。

どうするんだい? 本当に良いんだね。

そう言って、若い女が、たけのこ婆に詰め寄った。




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