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MODEって服のことではありません。

かつて働いていたフランスのブランドでモデルオーディションを見学したことがあります。服が綺麗に見えるモデル、というだけだったら正直誰でも良さそうなくらいすごい体型の人たちを選んでいます。なにが違うのか。なにが違わないのか。結局見えているもの以外のなにかを探しています。ある意味特殊な状況であるオーディションでなくても、見えていないことのほうが大切ということは多いと思います。見えていないものほど本質。

noteを始める時、服職人だからシャツの作り方とかスーツの作り方とかを書こうかと思ったけど、そんなことはもっと経験豊富なプロがたくさんいるしましてやデザイナーでもないから独創性もわかりやすく言語化できないからやめました。大袈裟だけどファッションを透かしてみえるもの。職人はこういうことを言う機会もあまりないし必要もないかもれないけど、服のことを高い安いとかあの人が着てるからとかそのトップスにそのパンツの色はダサいよ、などと言えてしまうプロとは違う目線でファッションを伝えたい。

見えているものがすべてのようなモードも実は見えていないものを一番大切にしています。伝えることは難しいけど表現は自由ですよね。

先日、ある外資系銀行にお勤めのバリバリキャリアウーマンママ(外資バリキャリママというらしい笑)にスタイリングコーチを依頼されたけどお断りしました。私の仕事ではないからだったけど断られて驚いていました笑。友人がお酒の席に連れてきた方だったけど、服好きを公言されていて年間100万円は服を買うといいます。ママでもオシャレを忘れないことはとてもいいこと。でも、会話に出てくるハイブランド名の数々。エルメス。ヴィトン。サンローラン・・・コレはいくらでコレは東京の旗艦店に2点しか入荷されなかった、という会話。外資バリキャリママになったことがないので感情を理解することはできないのですが、こういう方たちは服好きというより所謂ブランド好き。私がお作りしたことがある220万円のコートの写真をお見せしたら見た目がなんの特徴もないのでまたまた驚かれていました笑。この方を否定してるのではありません。ブランドは世界中でこういう人を増やす努力をしてきたのですから服で気分がよくなったり見栄を張れたり服装で空気読む集まりがあったりしても自分が楽しんでいればいいと思うからです。

モノを買う時値段は重要ですが、いまはサブスクなんてものもありケースバイケース。でもさすがにTシャツやトラウザースを借りる人はそんなにいないでしょう。いまの私がそうですけど、アマゾンにもZOZOにもエアクロにも侵されない領域の服はあるはずです。モードが服を売っているのではないという意味と同じことをずっと小さなサイズで始めようと思います。(・・・・私は裏方。。笑)

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