あえて書こう。岸田文雄首相の良かったところ。
8月14日、首相官邸で記者会見をし、9月の自民党総裁選に出馬しない意向を表明した岸田文雄内閣総理大臣。9月末で総裁任期満了で、新総裁選出後に首相を退任する。
ただでさえ何かと叩かれがちな内閣総理大臣。
私は是々非々の目線で、岸田文雄首相が行った政策のうち良かった点だけを挙げていきたいです。
岸田文雄首相は、2021年10月の就任以来、外交、経済、安全保障の各分野で具体的かつ実質的な成果を上げ、日本の国際的地位を強化し、国内の安定を確保するための政策を着実に進めてきました。
外交
アメリカ
まず、岸田首相が最も重視したのは日米同盟の強化です。彼は、外務大臣としての豊富な経験を生かし、バイデン米大統領との首脳会談を就任早々に実現させました。2021年4月に発表された日米首脳共同声明では、インド太平洋地域の安全保障や、中国の海洋進出に対する強い懸念が明確に示されました。特に、台湾海峡の平和と安定の重要性が両国間で確認され、中国による軍事的圧力に対抗する姿勢が明確に打ち出されました。この共同声明は、日米同盟の強固な基盤を再確認するものであり、岸田首相の外交手腕を示す重要な成果となりました。
さらに、2022年には、日本政府が在日米軍基地の整備費用を2022年から2026年にかけて約1兆円に増額することを決定しました。この「思いやり予算」の増額は、日米同盟の実質的な支援体制をさらに強固にするものであり、日米関係における日本の役割を明確に示すものとなっています。これにより、両国は防衛協力の深化を図り、日本の防衛力を強化するための具体的な措置が講じられました。
オーストラリアとインド
インド太平洋地域の安定を目指す岸田首相は、QUAD(日米豪印)の枠組みを主導的に推進し、多国間協力の強化に尽力しました。2021年9月に開催されたQUAD首脳会談では、インフラ投資、サイバーセキュリティ、気候変動対策を含む広範な協力が合意され、中国の影響力拡大に対抗するための共同戦略が具体化されました。特に、インフラ投資では、アジアやアフリカの発展途上国におけるインフラ整備を支援することで、中国の「一帯一路」構想に対抗し、地域の安定と発展を促進する取り組みが進められました。
欧州諸国
また、岸田首相は欧州との連携にも注力し、ロシアのウクライナ侵攻に対する日本の立場を明確に示しました。日本はG7諸国と緊密に連携し、ロシアに対する厳しい経済制裁を迅速に実施しました。この制裁には、ロシアの金融機関やエネルギー企業に対する資産凍結、貿易制限などが含まれ、ロシア経済に大きな打撃を与えるものとなりました。加えて、エネルギー安全保障の観点から、岸田首相は欧州との協力を深め、日本の液化天然ガス(LNG)の安定供給を確保するための具体的な協力関係を構築しました。この結果、日本はエネルギー供給の多様化を進め、ロシアに依存しないエネルギー戦略を実現する方向に舵を切りました。
中国
中国との関係においても、岸田首相は経済的協力と安全保障上の懸念をバランスよく管理し、具体的な成果を上げました。2021年には、日中間の貿易が過去最高の約3,000億ドルに達し、両国間の経済的な結びつきが一段と強まりました。この貿易拡大は、日本企業にとって新たな市場機会を提供する一方で、中国市場における競争激化にも対応するため、日本の産業基盤の強化が求められる状況となりました。一方、尖閣諸島周辺での中国公船の活動が活発化する中、岸田首相は防衛力の増強を図り、日米同盟を軸に中国の海洋進出に対抗する厳しい対応を取り続けています。具体的には、海上自衛隊と米海軍による共同演習や、日米間での情報共有の強化を通じて、尖閣諸島を巡る安全保障体制を強化しています。
韓国
韓国との関係では、徴用工問題や慰安婦問題の解決が難航する中、岸田首相は対話を重視し、2022年には韓国との外相会談を再開させました。この会談では、歴史問題に対する双方の立場が改めて確認されましたが、具体的な進展は見られなかったものの、両国間の対話の枠組みが再構築されました。さらに、北朝鮮の核・ミサイル問題については、日韓両国が共同で対応する必要性が再確認され、両国の安全保障協力が強化される契機となりました。
経済政策
岸田首相は、経済政策において「新しい資本主義」を掲げ、経済成長と分配のバランスを追求しました。2022年度には、4兆円規模の「新しい資本主義実現プログラム」が実施され、デジタル化、グリーン成長、子育て支援、地方創生などの分野に重点投資が行われました。これにより、日本経済は持続的な成長を実現するとともに、その成果が広く国民に行き渡ることを目指しました。
賃上げ
特に、賃上げ促進策が功を奏し、2022年の春闘では大手企業を中心に平均2.5%の賃上げが達成されました。この賃上げは、中小企業にも波及し、結果として内需の拡大に寄与しました。また、賃上げを行う企業に対しては法人税の減税措置が導入され、企業の賃上げインセンティブが強化されました。これにより、消費の拡大と経済成長の好循環が実現しつつあります。
デジタル化
デジタル化の分野でも、岸田首相は具体的な成果を上げました。2022年には、政府手続きの85%がオンライン化され、企業や国民の利便性が大幅に向上しました。これにより、行政手続きにかかる時間やコストが削減され、デジタル化が経済全体の効率性向上に寄与しました。また、デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルの開発を支援するため、スタートアップ企業に対する資金援助や税制優遇が行われ、国内のスタートアップ市場は過去最高の3,000億円規模に成長しました。この市場成長は、日本のイノベーション能力の向上に大きく寄与し、将来的な経済成長の基盤を強化しました。
カーボンニュートラル
グリーン成長戦略では、岸田首相は2050年カーボンニュートラルを目標に掲げ、具体的な政策を推進しました。2022年には、政府は太陽光発電や風力発電の導入目標を拡大し、2030年までに再生可能エネルギーの割合を36~38%に引き上げる計画を具体化しました。この計画に基づき、国内の再生可能エネルギー設備が拡大し、日本のエネルギー自給率が向上しました。また、EV(電気自動車)や水素エネルギーの普及を促進するための補助金制度を導入した結果、2022年の国内EV販売台数は前年比で50%以上増加し、環境配慮型の企業活動が大幅に拡大しました。このグリーン成長戦略により、日本は環境問題に対する国際的な責任を果たすと同時に、新しい産業の創出と経済成長を両立させる道筋をつけました。
安全保障
安全保障の分野でも、岸田首相は具体的かつ実質的な成果を上げています。2022年度の防衛予算は過去最高の5兆4,000億円に達し、ミサイル防衛システムやサイバー防衛への投資が大幅に拡充されました。この予算増額により、F-35戦闘機の追加導入やイージスシステム搭載艦の建造が進行し、日本の防衛能力が実質的に向上しました。
ミサイル防衛システム
特に、北朝鮮の弾道ミサイル脅威に対応するため、岸田首相はミサイル防衛システムの強化に注力しました。2022年には、イージス・アショアの代替となる新型迎撃ミサイルシステムの開発と配備が決定され、日米共同でのミサイル防衛演習も成功裏に実施されました。この結果、日本のミサイル防衛能力は実質的に強化され、北朝鮮からの脅威に対する抑止力が高まりました。
自衛隊
自衛隊の役割拡大にも具体的な成果が現れています。岸田首相は、自衛隊の国際社会における役割を拡大し、平和維持活動や人道支援活動に積極的に参加させました。2021年には、自衛隊が国連の平和維持活動に参加する部隊の数が増加し、特にアフリカや中東での人道支援活動が強化されました。また、宇宙作戦隊の創設により、自衛隊の宇宙監視能力が向上し、サイバー防衛部隊の拡充によって日本のサイバー防衛体制が実質的に強化されました。
多国間協力
地域の安定に向けた多国間協力においても、岸田首相は具体的な成果を上げました。2021年にはASEANとの関係が深化し、南シナ海における航行の自由を守るための共同声明が発表されました。また、オーストラリアとの防衛協力も進展し、2022年には日豪共同訓練が実施され、両国の軍事協力が具体的な形となりました。さらに、日本とインドの防衛相会談では、防衛技術の共有や共同演習の拡大が合意され、日印防衛協力が実質的に強化されました。
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