教員がブラックと言われる理由が分かった気がする

 4月から教師をしていて、散々「ブラックだ!!」と言われている理由が良く分かった。実際に、忙しすぎてプライベートな時間はほとんどなく、常に仕事に追われている。その理由を書いてみたい。

理由① 仕事を行う時間が無い

 この理由は良く言われていることだが、日中はほとんどが授業で仕事ができない。朝は、先生たちで朝会を行う。その後、各自の担任を受け持つ教室へ行き、朝のHR(ホームルーム)を行う。そして、息つく暇無く1時間目が始まる。そして、4時間目まで授業をした後、お昼休みが来る。しかし、教師には、そんなものはない。お昼休みは、コロナウイルス対策のため、教室を巡回する。黙食しているか三密は回避しているかをチェックする。昼休みが終われば、午後の授業に行く。それが終われば帰りのHRを行い、下校を見送る。やっと、放課後と思いたいが、部活が始まる。大体18時か19時くらいまで部活を行うと、ようやく自由が訪れる。(普通の企業ならとっくに終業時刻)
 しかし、ここで言う自由とは、全員が思うようなリラックスタイムなどではない。生徒が居る空間から解放されるという意味の自由だ。
 生徒から解放されれば、やっと自分の仕事を行うことが出来る。教材研究・授業準備(パワーポイントでの資料作成、プリント作成)・部活動関係の仕事(練習メニューの考案・大会の参加申込)・行事関係の仕事(文化祭で何をやるか、体育祭では誰が走るかを考える)・次の総合の時間では何をやるかを考える+資料作成 などなどやることは盛りだくさんだ。「よし、じゃあ始めるか!」と意気込んで取り掛かると、管理職から「今日は遅いから帰りなさい」と言われ、半強制的に帰宅を促される。
 「家に帰ってやるか」と思い、持って帰って仕事をするが、実際はそうもいかない。(理由は後ほど)

 ここまで書くと、仕事をする時間は0じゃないかと思うが、一応する時間はある。1つ目は、単純に学校に早く来て仕事をする。2つ目は、空きコマを使用する。この2つである。

 1つ目については、基本的に教師の就業時間は8:20~16:20頃に設定されている。私は、それより1時間早く来て、7:30分頃から仕事をして、時間を確保した(ちなみに帰るのは20時ころ)。このように、1日辺り13時間くらい働いているので、疲労がMaxになるため、家に帰って仕事をすることは不可能に近い(これが、家でやろうとしてもできない理由)(一般企業みたいな昼休みとか休憩は教師には無い)。
 2つ目については、1時間目から6時間目までぶっ通しで授業する訳ではなく、ある程度空きが生まれるように設定されている。一日あたり2~4コマ分は空きがあるため、その間に仕事をする。

「じゃあ仕事出来るじゃん!!」と思うとそうはいかないのが、教育現場だ(理由②に続く)

理由② 精神をすり減らす仕事が多すぎる

 正直、私が教師はブラックだなと思う最大の理由がこれだ。「教師は気苦労が多い」とどこかで聞いたことがあるだろうが、想像の100億倍は精神をすり減らすことになる。

  いわゆる「生徒対応」・「保護者対応」がとんでもない負荷を教師にかけてくる
 「生徒対応」というのは、『生徒指導提要』に書いてあるような問題行動(非行とか)への対応だけでなく、校則違反の対応・学校に馴染めない生徒への対応・欠席している生徒への対応・突然職員室に来て文句を言い始める生徒への対応・保健室に行った生徒への対応 などなど書ききれないほどの生徒対応をしなくてはならない。思春期の子には色々ある。色々ありすぎて手に負えない。「何言ってんだこいつ」と思うこともあるが、真摯に対応しなくてはいけない。「じゃあ学校辞めれば?」という気持ちを我慢して対応する。どんな生徒だろうが毅然とした態度で臨む必要がある。問題ばかり起こすやべー奴だろうが堂々としなくてはいけない。常に厳しく指導しなくては、今度は上から私が怒られてしまう。
 これが毎日続くのだから精神はゴリゴリに削られていく。

「保護者対応」は「生徒対応」に比べて、楽な方である(内容にもよる)。基本的には、「今日、○○さんが~~をしまして・・・という指導を行いました。」みたいなことを伝える。小学生の時体験したであろう、親が「もしもし、お世話になっております~。え?うちの子が?はい…はい…」 って言ってるアレである。アレの電話をする方をやるのだ。本当にやるとは思っていなかった。
 それ以外にも、学校に文句を言いにくる親への対応がある。まず最初に受けるのが担任だ。完全にサンドバッグと化してとにかく要件を聴く。これに似たようなケースとして、HRや行事の時、クラスでやったことに文句を言う親もいる。「クレームとかではないんですけど、○○をするのはどうなんですか?どういう考えですか?」みたいにかけてくる。立派なクレームだ。
 意見を言ってくるのは良いが、先述したような時間がない中で必死に考えたことを、あたかも何も考えずにやりやがったみたいな感じで言ってくるのが腹立つ。お前も13時間ぶっ通しで働いてみろ。だが、言い返すことはできないので、サンドバッグになって謝る。頭の中では、推しである鈴木愛奈さんの事を必死に考えつつ謝る(私「誠に申し訳ございませんでした。(あいにゃ可愛い~)」みたいな感じになる)。これで精神力は限界を迎える。

こういったことが、イレギュラーに起きる。朝だろうが昼だろうが夕方だろうが夜だろうが関係ない。無論、仕事中だろうが関係は無い。仕事を中断して対応に当たる。だから、いくら仕事があってもスムーズに終わることは無い。

これでも教師を目指しますか?

 やりがいも無く、ただただ辛いだけの毎日を過ごしますか?中には、「生徒を立派な人間に育てたいんだ!」 「子どもが好きだから教育をしてあげたい!」 「学校現場を変えたい!」とか、素晴らしい思想を持っている方もいると思います。その人は目指してもいいと思います。一日13時間の勤務に耐えられて、保護者と接することに恐怖がないのならばね。
 向いていない人は、私みたいに「○○の科目が好きだから、教えたい」と思っている人です。その人は、絶対に教師にはならない方が良いです。生徒対応と保護者対応で(精神的に)潰れます。
 よくTwitterとかで見る、教師あるある・ブラック学校あるあるみたいなやつは、全部本物ですよ。実際に経験しましたから分かります。ちなみに、今年の4月当初に流行った「1週間で教員辞めた」の内容に書いてあることは、よくある内容です。むしろ、あれより酷いところはたくさんあります。正直、あの記事を見た時、「あれ?自分の方がきつくね?」とガチで思いました。

あ、あとタイムカードなんて無いから、1日13時間働いてるのを労働基準監督署に持っていくとかもできないよ!!(1日13時間労働×6日=残業代無し・時給換算700円の給料)

教師楽し~~~~~!!!!!!!!!!!(精神崩壊)

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