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【5分で読める企業分析】WACULを有価証券報告書を参考に独自見解

株式会社WACULとは

データ分析でデジタルマーケティングのPDCAを支援するサービス「AIアナリスト」を中心に、マーケティングのDXを推進するワンストップ・サービス「AIアナリスト・シリーズ」を提供するプロダクト事業と、DX実現のための戦略立案や組織・オペレーション設計等のコンサルティングを行う「DXコンサルティング」。企業・学術機関と共にPoC等を行う社内研究所「WACULテクノロジー&マーケティングラボ」などを持つインキュベーション事業により、主に企業の生産性向上と収益向上に資する課題解決ソリューションを提供。

会社概要

会社名:(株)WACUL
代表者名:大淵 亮平
創業年:2010年9月
上場年:2021年2月19日
上場コード:4173
発行市場:マザーズ
業種分類:情報・通信
会社URL:https://wacul.co.jp/
採用サイト:https://wacul.co.jp/recruit/

>>>数字でみるWACUL

ビジネスモデル

WACULが顧客に提供している価値-1024x538

顧客に提供している価値を一言で表すと、「適切なマーケティング分析の内製と効率化」の提供です。
・Googleアナリティクスデータと連携してデータ整理
・整理したデータから改善提案・改善の振り返りが可能
・改善案から実施する施策もサービスとして提供

【ビジネス構造】

事業は大きく2つ。それぞれの事業の根幹には「デジタルデータ」が流れている構造になっている。
①「AIアナリスト」を中心としたプロダクト事業
②「WACULテクノロジー&マーケティングラボ」という企業・学術機関と共にPoC等を行うインキュベーション事業

プロダクト事業について
プロダクト事業は「AIアナリスト・シリーズ」といわれる、「AIアナリスト」「AIアナリストSEO」「AIアナリストAD」の3つで構成されている。ただ、プロダクトを深ぼっていくと基本的に「AIアナリスト」を軸にその他2つのプロダクトが展開されていことがわかる。

■AIアナリスト
・課金体系はフリーミアムモデル
・ユーザーに対して無料でツールを提供
・対価としてユーザーのWebサイトの行動データを獲得
・2020年12月末時点で3万4千サイト以上のデータを保有
・SaaSサービスとして、常に(毎週何かしらの修正など)アップデートを行っている
・ローコストで開発できる環境を作っているためユーザーにも低価格で提供できている(ここがネックになる可能性も。まとめにコメントあり)
・顧客に対する提供価値の陳腐化を防いでいる

■AIアナリストSEO
・コンテンツマーケティング支援サービス
・「AIアナリスト」の改善提案を活用
・“コンバージョン=購買・商談機会の獲得”を意識したコンテンツをサイト運営者に代わって制作
・効果的なコンバージョン獲得のためには、クローズドな情報である“サイト内の行動データ”の分析を行う必要がある
・サイトへの流入ではなくコンバージョンにフォーカス
・サイト内の行動データも分析したうえでキーワード選定を行う
・Webサイト内における設置場所の決定も「AIアナリスト」の分析結果から得られる最適導線の提案に従って行う

■AIアナリストAD
・広告枠の買い付けなどのWeb広告業務の一部をシステム化しWeb広告の運用を代行するサービス
・Webサイト内のデータを保有・分析できる「AIアナリスト」を提供する当社ならではの強みを活かす
・“訪問数を増やすWeb広告”ではなく“コンバージョンを増やすための、Web広告とWebサイトの一体運用”を提供
・多くの顧客のデータを保有し分析しているため、顧客の属性にあわせて、検索連動型広告やSNS広告、記事広告など多様な広告媒体を横断的に提案し、最適化を図っている
・実運用については、広告運用が自動化されている外部ツールを利用することで、工数を削減しつつも効率的な広告運用が可能

インキュベーション事業について

・プロダクト事業の「AIアナリスト・シリーズ」の機能拡張や新規ソリューション開発のための取組事業
・アカデミアおよびビジネスの先端をいく人材を顧問とする社内研究所である「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」を2019年2月に社内研究所として設立
・AIやマーケティングの先端テクノロジーの知見をプロダクト事業に移管している
・知見の獲得および各種ソリューションの開発・機能強化を目的
・2020年2月期において全体に占める売上高の割合は10%未満
・コンサルティング業に源流を持つため、社内のコンサルティングに関する知見の蓄積を活かして、事業全体の再構築や、KPI設計、組織設計、オペレーション構築等のコンサルティングサービスを提供

【顧客開拓】

新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)によると、現状は直販部隊での販売を主としているとのこと。

プロダクトがフリーミアムモデルで、「無料で導入して、一部が有料になっていく」というもの。顧客開拓においては「無料で導入した企業がそのまま顧客予備軍になる」ため少人数でも効率的に直販セールスが可能。実際に「事業計画及び成長可能性に関する事項について」でも無料版利用ユーザーへの掘り起こしから商談に繋がっているため、顧客予備軍に対してインサイドセールス等での販売をしていると考えられる。

WACULの顧客開拓方法

ここで重要になってくるのが「無料で導入をしてもらう」こと。そのため、WACULとしてはプロダクトの認知を広げるために無料セミナーやSNSなどでの積極的な発信が販促施策を継続的に実施している。

また、ここ数年は広宣費だけでも年間5千万ほど投下をしている。広宣費に関しては、主にウェブ広告や記事広告、紹介会社(パートナー?)、展示会に投資をしているとのこと。一方でただ広告に投下するのではなく自社のアセットになる施策に注力している。

顧客セグメントは規模や業界にばらつきはなくバランスのいい構成をしている。サービス特性上、デジタルマーケティングをしている企業はすべて顧客になりえるということ?

WACULの顧客開拓方法

売上推移

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・売上推移は直近の4期以降は右肩上がり
・2017年2月-2018年2月で大きく跳ねているのは月額課金を開始したためか

新株式発行並びに株式売出届出目論見書から2016年以降の売上・利益・売上昨対を整理しました。売上はキレイな右肩上がり。基本的な売上はプロダクト事業であり、インキュベーション事業は全体の10%未満とのこと。

・・・・・。

もっと詳しくは以下のメディアに

【5分で読める企業分析】WACULを有価証券報告書を参考に独自見解

ここでは上記の内容に加えて、以下をまとめています。
●経営者の略歴
●これからの戦略を独自解釈をする
・プロダクトの認知向上
・クロスセルサービスの展開
・販売チャネルの構築
●総括/まとめ

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