イギリスの羊たち: 英国の羊 「Medium」
それでは前回の続きです。
英国羊毛「MEDIUM」に分類される羊達です。
FRIESLAND
起源
1953年に初めてオランダから英国に輸入されてきた品種です。
特徴
人気のある乳用雌羊で多産性のある品種です。体格が大きくて角のない細い頭と長くて毛の無い尻尾が特徴です。
主な用途
ニット生地のブレンド材
手触り: ミディアム/ソフト 色: 白
フリース重量: 2.75-3.5kg ステープル長: 10-15㎝
太さ: 33-34.5ミクロン
HALFBRED-SCOTCH
起源
スコッチハーフブレッドはボーダーレスターの雄羊とチェビオットの雌羊の交配によって生産されました。
特徴
大型の羊で角は無く、直立した耳を持ち、清潔で白い顔をしています。
主な用途
カーペットに使われる事もありますがほとんどはニットやツイード調の布に使用されます。
手触り: ミディアム 色: 白/クリーム色
フリース重量: 3-4kg ステープル長: 8-15㎝
太さ : 32.5-35ミクロン
HALFBRED-WELSH
起源
ウェールズハーフブレッドはボーダーレスターの雄羊とウェールズの在来種の雌羊の交配によって生産されました。
特徴
顏や足に羊毛が無く、色は白から淡褐色まで様々です。主に子羊の生産の為に飼育され、白いフリースにはケンプとよばれる粗い繊維が含まれています。
用途
ニット、布、カーペットのブレンドに使用されます。
手触り: ミディアム 色: 白/クリーム色
フリース重量: 2.5-3.5kg ステープル長: 8-14㎝
太さ: 32.5-35
LLANWENOG
起源
19世紀後半に西ウェールズでシュロップシャーが現在は絶滅している黒い顔をした在来種との交配によって誕生しました。
特徴
黒い顔をしていて角は無く額には羊毛の房があります。白くて柔らかいダウンランドのフリースを持っています。高地の牧草地でも豊かな低地の牧草地でも生き延びる事ができます。
主な用途
手編み、ニットウエア、ツイード調の生地に使う糸のブレンド材
手触り: ソフト/ミディアム 色: クリーム色
フリース重量:2-2.5kg ステープル長: 6-10㎝
太さ: 31.5-34ミクロン
LLEYN
起源
ウエールズの北西海岸の岬、ライン半島が原産で19世紀に地元のウエールズの羊を改良する為に裕福な地主が輸入したと言われています。
特徴
LLEYNは管理のしやすさで知られ、商業繁殖用の雌羊として非常に人気が有ります。中型で角が無く、顏と頭は白で、耳や足には羊毛がありません。羊毛は白くちょうど良い長さです。
用途
カーペットがメインですがより上質な物はニットや布の糸に使われます。
手触り: パリッとした感触 色:白
フリース重量:2.5-3.5kg ステープル長い: 6-12㎝
太さ :31-34ミクロン
ROMNEY
起源
この品種は13世紀からイングランド南東部のロムニーマーシュ地域で飼育さいる事からその名がつけられました。
特徴
丈夫で大柄な低地の羊です。厳しい放牧や過酷な条件に適用する事ができます。広く白い顔をしており、光沢のある重く白いフリースを持っています。
用途
その特性から汎用性が高く、目の細かさに応じてニットや毛布、カーペット等に使用されます。
手触り: ソフト 色: 白/クリーム色
フリース重量:3-5kg ステープル長:10-17㎝
太さ: 31.5-34ミクロン
TEXEL
起源
ローマ時代から存在し、オランダ北西海岸沖のテクセル等に由来しています。1970年に英国に導入されました。
特徴
英国の主要な子羊の大部分を生産する主要な繁殖用の雄羊です。筋肉質で四角い後頭部で首が短く頭や足に羊毛はありません。黒い鼻と密度の高い中程度の長さの白い羊毛が特徴です。
主な用途
上質な物はニットウエアーや布に使用、それ以外はカーペットになります。
手触り: ソフト/ミディアム 色: クリーム色
フリース重量: 2.75-3.5kg ステープル長: 7-14㎝
太さ: 31-34.5ミクロン
以上「Medium」に分類される全13種の品種をご紹介しました。「FINE」の品種ほど細くはありませんがその分弾力を持った羊毛です。31~35ミクロンの太さを持ち、英国のウールの中でも最も多用途に使用できるウールがこの「Medium」だと言われているそうです。どうぞご参考までに。
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