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英国のウール

今回は英国の羊毛についてです。英国産のウールは世界のウールのわずか3%しかないとても希少価値の高い羊毛で、ウールの女王とも呼ばれています。英国には現在約4千万頭の羊がいます。丘陵地、山岳地、低地などの生息地によって羊の特徴も異なり、純粋種だけでも約40品種に及び、その他多数の交配種が存在しています。

英国羊毛の特徴
・弾力性
他の羊毛と比べると英国羊毛はミクロン当たりのクリンプが多くなっています。特に短毛ダウン種の羊毛はクリンプが極めて多く、カサ高性があります。また伸び縮みする弾力性が非常に高いのも特徴です。

・耐久性
英国の厳しい気候に耐え抜く羊から産出される英国羊毛は大変丈夫で雨風を跳ね返す力を持っています。また、こすっても擦れにくい英国羊毛製品は型崩れしにくいのが特徴です。

・光沢
英国羊毛程の光沢の強い羊毛は他に例を見ません。特に長毛光沢種の羊毛はモヘアに近い美しい光沢を持つことで世界的にも有名です。これらの羊毛は耐久性と光沢が求められる服地の原料として理想的です。

主な用途
弾力・コシ・耐久力があるという特徴から近年では布団用として使用される事が多くなってきています。少しでも布団にマッチするように防縮加工などの付加価値を付けたものも増えてきました。その他にはラグや毛布などにも使われています。
多くはありませんが柔らかめの羊毛も全体の4分の1程度はあります。それらはすべてニット・織物及び手編みに使用されます。

英国はヨーロッパでは最大の羊毛産出国で、約8万人の牧羊業者が約4千万頭の羊を飼い、毎年約5千万キロの羊毛を産出しています。個々の牧羊業者が能率的に羊毛を売る事ができるように英国政府は1950年農政法に基づき毛織物産業の中心地である北イングランドのウエストヨークシャー州ブラッドフォード市に英国羊毛公社を設立しました。
牧羊業者及び買い手側双方の利益の安定を図るために公社では英国で毛刈りされる原毛全てのマーケティング活動を行っています。
市場における差別化を図る為ライセンス制度を設けており、その品質も保証しています。そういったことからも寝装業界等から英国羊毛は高い支持を得ています。



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