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羊毛の変化

羊毛は刈り取られた状態から糸になるまいろんな工程を経て製品になっていきます。工程が進むにつれて当然羊毛の見た目、形状も変わって行き、更には呼び名も変わります。今回は刈りたての羊毛から製品に近づくにつれてどのように見た目が変わり呼び名が変わっていくのを簡単にご紹介したいと思います。


Greasy  Wool(グリージーウール)

グリージー

直訳すると脂付羊毛となります。羊から刈り取った直後の状態の羊毛で羊毛繊維以外に脂、汗、泥、水、藁ゴミなどの夾雑物が含まれています。通常であればこの後洗いの工程に移りますが、現在日本国内には大量の羊毛を洗う設備を備えた工場はありません。なのでGreasy Woolの状態で日本が輸入するケースはほとんどありません。
ちなみにこの脂はラノリンと呼ばれ、羊毛産業から得られる貴重な副産物です。ラノリンは人の肌を滑らかにして保護してくれる性質が有るのでスキンケア商品などに使用されます。


Scoured Wool(スカードウール)

スカード

洗い上がり羊毛の事で、Greasy Woolを洗った状態の羊毛です。
Scoured Woolはまだ何%かの植物性夾雑物が混ざっている状態で0.5~2%程度の脂分も含まれています。日本においてもこのScoured Woolの状態になると輸入される事も増えてきます。


Sliver(スライバー)

スライバー2

洗い上がったウールは大小のふっくらした固まりになっていますが、これをカーディングして繊維を1本1本ほぐし、繊維の長さを平行に並べたロープ状の繊維の束にします。この束をSliverと言います。加工するにはそれなりの数量を大きな機械に欠けなければいけない為、このような原料は基本的にアパレル業界などのトン単位の使用が前提でなければ加工する事ができません。その為クオリティーは高く、人が身に着けても快適に感じるくらいのしなやかさを持っています。


TOP(トップ)

トップ

カーディング工程を経た後、短繊維を取り除きながら平行に繊維を揃え、撚りをかけず、更に太い篠状の状態の事を言います。要するに脂分も夾雑物もも無い羊毛の最上級の状態です。糸にする場合はこのTOPが製造上の中間製品になりますので日本ではこの状態で輸入されるケースが一番多いです。TOPという名称は西洋のコマのような形に巻かれていくことから付けらました。


ざっくりではありますがTOPまでの工程を紹介させて頂きました。最初の刈り取られた羊毛からTOPになるとまったく見た目が違うものになります。TOPの後は染めたり撚りをかけて糸にしたりという工程に移り、ようやく皆さんが想像しやすい糸になっていきます。

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1890年創業の羊毛商社のウールショップーJK WOOL

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World of woolは創業1890年以来の羊毛原料商が運営する羊毛を中心とした天然繊維の魅力を発信するオウンドメディアですが、実は羊毛原料のECサイト "JK WOOL"も運営しているんです!

手紡ぎ毛糸やフェルト製作など羊毛がご入用の方がおられましたら、是非JK WOOLを使っていただけますと幸いです。

   JK WOOLはこちら:https://jkwool.shop-pro.jp/

皆様のお越をお待ちしております! 

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