見出し画像

【礼】レバノン国境で地雷爆発が2人負傷。国連レバノン暫定軍の活動


3月21日、レバノン南部とイスラエルの国境線付近に設置されていた地雷が爆発し、2名のイスラエル軍兵士(IDF)が負傷した。

イスラエル軍兵士が建設作業をしてる最中に地雷が爆破し、イスラエル当局は「攻撃の可能性は低く、地雷が何故爆発したのか原因究明を行う」と発表。


何故イスラエル軍は事前に地雷の検出を行わなかったのか?

国境線沿いの地雷はレバノン軍とヒズボラがイスラエル国土内に侵入しないよう何年も前に設置されたものだが、両軍とも国境線でパトロール任務など軍事インフラを建設する際は、細心の注意を払い地雷原を避け、又は地雷を撤去した後、建設作業などを行っている。

今回の建設作業中の爆発を回避できなかったのは、イスラエル軍の不注意という言葉では収まりきらないほどの責任であろう。



国連レバノン暫定軍(UNIFIL)による南レバノンでの活動。

UNIFILは1978年に国連により組織され、主な活動は以下の通り

・南レバノンからのイスラエル軍の撤退の監視
・レバノン政府の権威回復
・パトロール、国境監視
・現地人の物的支援と食料配達、物資輸送
・インフラの設備(主に水道)
・学校や孤児院建築にあたる機材サービス
・困窮者向けの社会支援

以前紹介した、国境線を示すブルーラインの設置もUNIFILが行っており、2020年8月には中国軍地雷撤去班によるブルーライン周辺の地雷撤去も行われている。記事・ブルーラインをイスラエル軍が1m侵害

2006年にはイスラエル軍による侵攻により、レバノン政府からの要請で同地域での活動を延長、活動は現在まで至る。

UNIFILは最大時10560人の隊員により編成されていたが、UNIFILの年間予算は約1億ドルに上り、兵員提供国に対する未払いが続いている。UNIFILの抱える負債は6800万ドルとも言われ、恒常的に予算不足に陥っている。

上記の様な背景を受け、UNIFILは規模の収縮を行い、2000人の隊員を軽減せざる負えなくなった。

レバノンにおけるUNIFILの活動とその成果は大きい。レバノン政府が権威を回復し、レバノン政府が強く国政、地方行政を行い始めれば、レバノン国民の笑顔は今よりも更に広まるであろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?