ガランとしたキャンプ場にポツンと残るテント
旅が終わる
僕が旅を終わらせるわけではなく
旅が僕を終わらせてくる
歩き旅はなんだかそんな事を思わせる
歩き終わって3日目
アイスランドのとある街のキャンプ場で何もしない一日を過ごしているわけだ
歩いている最中は
「もう今日はここで終わりたい」
なんて思ったりもするが
歩き終わると
どこか物足りなさを感じる
観光客が車で押し寄せるキャンプ場
その片隅で僕は小さなテントを小さく張る
同じ場所にいるのに
どこか違う場所にいる感覚
早朝には車がひしめき合っていたキャンプ地は、10時にもなると結露で濡れた大きなテントを世話しなく片付け、彼らは次の目的地へと旅立っていった。
ガラン
としたキャンプ場
ポツン
と残る小さなテント
結露で濡れた僕のテントが乾き始めた。
この開放感と少しの物足りなさは、歩き旅の常なのかもしれない。
やはり旅を終えると、旅は目的地になかった事を思わせてくる。
旅は「旅の中」にしか存在しない。
そして、人生もまた目的地には何もないのだろう
人生の中にしか存在しない
旅をすると何度も何度も思う
「今」しかないという事
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