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オーストリアの郷土菓子


アプフェルシュトゥルーデル (Apfelstrudel)

リンゴやレーズンやナッツ、シナモンを薄く伸ばした生地で巻いて焼き上げたお菓子。その名称は、ドイツ語でアプフェル(Apfel)は「りんご」、シュトゥルーデル(Strudel)は「渦巻き」を意味します。

ストゥルーデルの原型は、バルカン半島と中東で親しまれている「バクラヴァ」にルーツを持つとされ、ハンガリーを経由してオーストリアに伝わったと言われています。

また、ハプスブルク家のマリア・テレジアにも提供されたデザートとしても知られおり、現存する最古のレシピ“Koch Puech”(1696年)はウィーン市立図書館に保管されています。


カーディナルシュニッテ (Kardinalschnitte)

オーストリア・ウィーンを代表する郷土菓子。メレンゲとスポンジケーキをストライプ状に焼き上げた生地に、クリームやジャムを挟んで作られます。

その名称はカーディナル(Cardinal) =「枢機卿」、シュニッテン(Schnitte) =「切り菓子」を意味し、黄色と白色の生地はカトリックの総本山のバチカンを、赤色のジャムは枢機卿を象徴しているとされています。

1933年、ウィーンのペストリーショップ “L.Heiner”で、カトリックの祭日に作られたのがはじまりなのだそうです。


ザッハートルテ (Sachertorte)

世界的に知られているオーストリア・ウィーンの名物。アプリコットジャムが塗られたチョコレートスポンジ生地を、チョコレートの糖衣で覆ったケーキで、1832年オーストリアのパティシエ/フランツ・ザッハーによって考案されました。

当時オーストリア宰相、クレメンス・メッテルニヒの邸宅で見習いをしていたフランツ・ザッハー氏。突然の病に倒れたシェフの代役として、16歳という若さで急遽このデザートを編み出し、貴族の間で大変好評を得たのだそうです。

フランツ氏の次男が開業したホテル・ザッハー(1880年~)で人気を博したものの、宮廷御用達菓子店・デメルとザッハー・トルテの販売権を巡って論争が起きました。

7年間の裁判の末、ホテル・ザッハーは「オリジナル・ザッハートルテ」として、デメルは「デメルのザッハートルテ」として販売するよう判決が下されました。


カイザーシュマーレン (Kaiserschmarren)

小麦粉や卵、砂糖、牛乳などを混ぜ合わせた生地を焼き、一口サイズに切り分けて粉砂糖を振りかけたお菓子。

オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が好んで食べたという逸話が残されており、その名称は彼にちなんで名付けられたと言われています。(“Kaiser”は皇帝の意) 生地には、お好みでジャムや果物のコンポートを添えていただきます。


リンツァートルテ (Linzertorte)

オーバーエスターライヒ州の州都・リンツ発祥のお菓子。アーモンドパウダーやシナモン、クローブなどから作られる生地にレッドカラント(赤スグリ)ジャムを載せて焼き上げます

日常的に親しまれているケーキですが、クリスマスの時期に食べる習慣もあるそうです。リンツァートルテの原型となったのは「リンツァー・マッセ」と呼ばれるお菓子で、これは世界最古のトルテともいわれています。


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