令和になり、大型台風やゲリラ豪雨などの異常気象や地震や火山爆発などの自然災害、そしてウイルスのよるパンデミックなどで地球環境が悪い方に変化してきているとだれもが感じ始めてきています。
さかのぼること9年前、2012年にウルグアイ国のムヒカ大統領が国連環境会議リオ+20で行なった伝説のスピーチは、残念ながら今も色あせることなく異彩を放っています。以下そのスピーチの日本語訳の抜粋です。これは、社会科や総合的な学習で是非活用して子どもたちに考えさせたい資料です。
我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
実は環境問題の加害者は私たちで、被害者は私たちの子孫かもしれません。
2016年にムヒカ大統領は来日しています。その時日本の私たちへ次の言葉を残しています。
「私は聞いてみたい。今日の若者は物がない昔の若者より幸せなのか。今の日本はあまりにも西洋化してしまい、本来の歴史やルーツなどはどこに行ってしまったのかと聞きたくなる。私はペリー提督や外国人を受け入れていなかった時代の日本を訪問した時のことが書かれた本をよく覚えている。当時の日本人は『西洋人は泥棒だ』と思っていた時代だね。あながち間違っていなかったけど。日本人はとても賢かったと思うよ。だって彼らは気づいていたんだ。西洋の進んだ技術にはとても対抗できないから、当時の日本人は勝てる技術を作ろうと頑張ったんだ。そしてそれを成し遂げたんだ。しかし今の日本人は昔の日本人の魂を失ってしまった。昔の日本人はすごく強かったんじゃないかな。多くの障害を乗り越える強さを持っていた、それがあなたたちの先祖なんだよ。江戸時代、人々は金が無くても人は幸せだった。仕事は午前中で終わり、午後から人々は風呂に行き落語を楽しんだ。その中でつつましやかな生活をしていたんだ。」
ムヒカ大統領は子どもの頃、移民としてウルグアイにやってきた日本人から昔の日本の素晴らしさを聞いたそうです。江戸時代は高度なリサイクル社会で、物には魂があると誰もが信じ、大切にしました。(古来日本人は古いものに宿る魂を付喪神[つくも神]と呼んでいました。)使い捨て文化から一番遠かったのが日本だったのですね。
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