#94 よいクラスとは、
担任をしたことのある先生なら誰もが感じたことがあると思いますが、
「クラス内での争いやトラブルは起きないで欲しい!」
これが本音だと思います。自分も担任していましたから、よくわかります。何ごともない平穏が一番だと。でも子どもたちはやらかしてくれます。いろいろと。いっぱい起きます。そうならないように、担任は毎日あれやこれやと手を打ち策を練っています。しかし、どんなに手を打っても、起こってしまうんです。クラスのもめごとやトラブル。
でもそれでいいんです。グローイングペインという言葉があるように、子どもたちの成長のためにはなくてはならないグローイングトラブルというものがあると私は思っていました。それは子どもたちが大人へ成長するためには避けて通れないものだと思っていました。
ですから、厳しいことを言うかもしれませんが、担任である以上そのもめごとやトラブルに真正面からぶつかって、ときには返り血を浴びてもそれを子どもたちが成長する機会にしていく「覚悟」がなければ、長く担任していくことは難しいと思います。そうとらえられないのであれば、その先生の心の健康のためにも、子どもたちのためにも担任を辞することも考えていかないといけないと思います。一番よくないのは、もめごとやトラブルに気づいていながら、それを放置して子ども集団の自然治癒力に任せてしまうこと。いわゆる「様子見」。それでは担任としての本来の役割を果たしていないと思います。
ところで、みなさんは
よいクラスとはどのようなクラスだと思っていますか?
よいクラスとは、争いやトラブルのないクラスだと勘違いしていませんか?
私は違うと思います。
よいクラスとは争いやトラブルの起こらないクラスではなく、争いやトラブルが起きても解決出来るクラスだと思います。
(同じように考えると、よい学校の姿も見えてくるのではないでしょうか。よい学校とは、もめごとやトラブルがない学校ではなくて、もめごとやトラブルなどの問題が起こっても先生や子どもたちで問題を解決していける学校といえるのではないでしょうか。)
子どもたちは争いやトラブルを通して、自己主張能力や相手の言い分をしっかり向き合って聞くことや、時には折り合いをつけることなどを学んでいくものです。むしろそのような体験を子どもの頃に十分させてもらえなかった場合が恐ろしいと思います。
成長の過程で起こる子どもたちのもめごとやトラブルは避けて通れません。むしろ、担任はもめごとやトラブルは子どもたちの成長の機会ととらえていかなくてはいけません。それを子どもの頃に十分経験させてもらえなかった人がかわいそうに大人になってから社会に不適応を起こしてしまうのだと思います。
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