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#48 【学級担任必見】保護者との関係作り

 私は、保護者との連携をとても大切であると考えていました。子ども達によりよい教育を行うため、また教育効果を上げるためには、保護者との連携・協力が欠かせないものであると考えるからです。
 「保護者へ連絡」というと、何となく、学校でトラブル等の問題が起こった時や、なにか特別な場合と考えがちですが、私は日常的に行った方がよいと考えていました。日常的に連絡を行っている場合とトラブル等の時しか連絡しない場合とでは、保護者の反応や担任への協力の度合いなどはっきり違ってきます。もし、よくないことしか連絡してもらえなかったら、話を聞く態度が硬化してしまうのは、私たちだって同じではないでしょうか。


 そこで、保護者との関係作りの方法をいくつか紹介します。(もう知っているという方もいらっしゃると思いますが)

o1 学級通信を活用する
 私は、学級通信を書いていました。この学級通信を書く時は、次のことを意識しました。
○学校でやっていることや授業の様子をお知らせする。*でも、事実だけを書き連ねるだけでは片手落ちです。
○担任の考えや願いを伝える。*担任がどのような方針で指導しているか、保護者が一番知りたいところ
○時には、保護者に協力をお願いする。
 この学級通信が思った以上に役立っていることがありました。保護者の方から「いつも楽しみに読ませていただいています。」とか「先生の考えがよくわかって安心しました。」等と感想を言われることがありました。時には「すごく勉強になりました。」などと誉めてくださる方もいました。
学年で複数クラスがある場合は、自分のクラスばかり学級通信を出すと隣のクラスに申し訳がないと気を遣わないといけないこともあると思いますが、単学級の場合はその心配はいりませんでした。

2 連絡帳を活用する
 保護者が手紙を連絡帳に書いて持たせてくれる場合があります。「今日の体育は、風邪でお休みします。」等です。こんな時に担任によっては確認の印だけで済ませてしまう人がいます。私は、なるべく短くてもひと言を書くようにしました。例えば、「ご連絡ありがとうございました。私も○○君の体調に気をつけて観察していました。休み時間は本人が自重して教室で静かに過ごしていました。早く元気になるよう、帰宅後も体調管理をよろしくお願いします」という具合です。
 大したことではありませんが、このような小さなことを積み重ねることが、保護者からの信頼の糸を一本一本たぐり寄せることになると私は考えていました。またこのひと言が嬉しいと言ってくださる方もいました。学校での様子が少しでも分かり、安心するからだと思います。

3 電話を活用する
 以前、先輩教師から教えてもらった方法です。電話で子ども達の学校での様子を知らせするのです。トラブルのことではありません。

伝えるのはもちろん、誉めるべきことです。

 保護者が知らなくて担任が知っていることはどんなことでしょうか。それは学校(集団生活)での様子です。保護者は自分の子どもが学校でどんな様子なのかはのどから手が出るほど知りたいことです。最初は、学校からの電話というとあまりよいイメージを持たない方もいました。「何かあったのかな。」とかまえてしまうようでした。しかし、この「よいこと電話」をしていくと、お母さんの声のトーンがはっきり変わってきました。また、保護者によっては、「うちの担任は、何か問題があった時しか連絡をよこさない。」と思っている保護者も少なからずいます。

 しかし、このよいこと電話を多用するよりも、はるかに効果があるのは、時間があればたまには、教師が直接足を運んで家庭訪問して保護者と直接会って話すことの方がはるかによいと思いました。

4 保護者会を活用する
 ある方が「保護者会では、お母さん方がメモを取るような話をするべきだ。」と言われていますが、まさに、その通りです。担任から当たり前の話や当たり障りのない話しか聞くことができないのであれば、わざわざ仕事を休んでまで保護者会に出席する意味はありません。そこで、次のようなことを心がけていました。
○前もって、保護者会で話す内容を学級通信などで伝えておく。*場合によっては保護者の間で話題になっていることなどをそれとなく役員のお母さんから聞いてきいておいたり、役員のお母さんとの綿密な打ち合わせをしておきました。
○資料を用意する。(子ども達にしたアンケートの結果など)
メモを取ってもらえるような話ができないときには………
○本の紹介をする。本に書いてあった保護者の参考となることなどを話す。

 保護者会は親が自分の仕事の予定を調整してわざわざ学校に駆けつけてくれるものです。最も大事な事は、保護者会が終わった後、「今日の保護者会に参加してよかった」と思ってもらえるような保護者会にすることをいつも心がけていました。

5 出会いを活用する
 子どもを通院等で迎えに来たり、何か用があって学校に来ることがある場合を私は密かにチャンスだと考えていました。また自分のクラスの子どもの兄弟のことで学校に来ている時などもチャンスでした。保護者の方も個別に担任と話ができる機会を密かに願っている人は決して少なくありませんでした。

6 行事を活用する
 会えない方にはなかなか会えません。そんな時は、保護者が学校に来ているチャンスを逃さないようにしました。例えば、運動会、自分も役割があって忙しかったのですが、もちろん競技中は無理です。私は昼食後から午後の競技が始まる前の空白の時間を有効に使いました。どの保護者と話すかまた話す内容も事前に決めておきました。

7 実践で示す(これが一番大事)
 何と言っても一番大切なのは実践で勝負するということです。100の言葉より1つの実践の方が説得力があります。子ども達の成長が、保護者の心を動かします。もちろん、「学校が楽しいと言っている。」、「算数のテストで初めて100点をとった。」、「逆上がりができるようになった。」等々………なんでもよいのです。私たちは子ども達に、「力をつけることができる教師」、「変容(成長)をうながす力量のある教師」であることを保護者が認めざるを得ないような実践をしなくてはなりません。


 最後に、上記の7 つは保護者との関係作りについての単なる方法論でしかありません。一例でしかないと思います。他にも方法論はあると思います。最も大切なことは、教師の方から進んで保護者とよい関係を築こうとする気持ちがあるかどうかです。先手必勝が大事です。保護者が何かを言ってくるのを待っていたり、学校で問題があった時しか家庭と連絡をとらない、いわゆる「待ちの姿勢」では、保護者とよい関係なんて築けるはずがありません。そうなると、教師自身はそんなつもりはなくても保護者から見ると、「お高くとまった先生様々」として見られてしまうことがあります。
 教師は自分一人で学級経営をしていると傲慢な錯覚をしてはいけません。自分以外の教師や保護者の協力に支えられて今の自分の学級経営が成り立っていることを片時も忘れてはいけません。そこに気付けると、自ずと保護者への感謝の気持ちが湧いてくるはずです。あるPTAの役員をしていた保護者の方が言っていたことですが、

 「積極的に保護者と関わろうとする先生と、どちらかというと保護者との関わりを避けて済まそうとする先生がいます。やはり問題が多いのは、圧倒的に後者の場合です。先生方はコミュニケーションが大事だと普段言っていますが、コミュニケーションは学校からの一方通行なお知らせ連絡ばかりでなく、双方向のやりとりがあってはじめて成り立つものではないでしょうか。」

 まさしくその通りだと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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