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フィンランドの特別支援の世界を覗いてみました ーラハティ、1年生編算数ー

みなさんは特別支援と聞くとどのようなイメージを思い浮かべますか?

毎日フィンランドで特別支援専門学校で支援が必要な若者たちと接している私は、明るく笑い声のたえないクラス先生やスタッフたちがどんな方法なら学べるだろうかという底知れぬ探求心生徒たちの無限大の可能性と自由な発想をイメージします。

日本もフィンランドも子どもに合った方法で子供の可能性を最大限に伸ばしたいと教育者が考えているところは共通しています。そしてその子に合った教育環境を出来る限り整えてあげたいと目指しているところも同じです。
子どもにこの方法が一番合っているのかと現場の先生達は同じように試行錯誤しています。今回は特別支援が必要な子に対するイメージや支援に対する考え方に注目していきたいと思います。


まず、自分の中で考えてみて下さい
支援が必要な子ってどんな子だというイメージを思っていますか?
特別支援学級はどんなところだとイメージしていますか?
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視察した学校の撮れなかったのですが、ラハティ市にある他の小中学校の紹介動画を貼っておきます。1-9年生、プレスクールと特別支援学級がある学校です。これで学校内のイメージがわきやすいと思います。

今回視察に行ったラハティにあるキビマー学校(Fin. Kivimaan koulu)も同じような雰囲気でした。ここは特別支援の教室ではありません、1年生の教室です。このクラスの中には科目によっては支援が必要な子どももいます。
どのように授業が進められているのでしょう?
授業目標と個の目標の2つが混在する授業とはどのようなものか?


1年生のくらすでは算数の授業をしていました。
生徒は1クラス13人程度で、教員は1クラスに1人です。その他にクラスアシスタントが授業中にサポートしていました。

算数はDragonboxという補助教材を使用して授業をしていました。

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画像はDragonboxのHPより

授業の始めは2クラスある1年生全員が一緒に授業をうけ、その後それぞれのクラスに帰って計算ドリルを個人で解いていました。
教員からの質問にはよく手が挙がっていました。計算の答えを間違えても叱ったりはせず、そのまま解説に移っていました。

算数の授業の様子はDragonboxのページに私たちが見学に行った学校の1年生の担任Pia 先生が載っています!詳しく見たい方は下のリンクからPia Korpelainen先生を選んでください。
https://www.dragonbox.fi/fi/kokemuksia

一斉授業後は教室とは別の場所で小さいグループで特に算数が苦手な子に対して個人に合わせた演習や補助教材をより多く使い特別支援の先生が教えていました。

授業ではこのドリルのこの2ページを使っていました。*下に写真がありますドリルのAとBを授業内で取り組んでいました。Cは宿題でした。
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フィンランドには3段階のサポートシステムがあり、この少人数授業は下の図の下から2段階目のサポートにあたります。


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*画像はこちらからhttp://www.lukimat.fi/lukimat-oppimisen-arviointi/tietopalvelu/taustaa/kolmiportainen-tuen-malli


まとめ
特別支援が必要かどうかやどこでどのように勉強するかは子どもたちはあまり気にしていない様子でした。それよりも、わからないのに誰も気づいてくれないことに不安そうな顔をしている子は何人かいました。教えてもらいながらでも、ドリルを終わらせて次のステップに行くのをとても楽しんでいたように見えました。クラス内でみんなが同時に初めても進むスピードが違うことが当たり前になっており、クラス内の動きが流動的で活発でした。

こんなに動き回って、iPadで問題を解いている時に音が出ていたら集中できないのではないかと聞いてみると、

色々な家庭の子がいて、いつも静かに勉強する環境がある子ばかりではない。これぐらいの騒音では影響ないと先生が話してくれました。

勉強は静かにするものだという固定概念があったので、そんな考え方もあるのか!と驚きました。たくさん生徒がいる中でクラス目標と個々の目標を同時に達成するのは難しいものだと決めつけてしまっていたのではないかと考えさせられました。


参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyoiku/84/3/84_299/_pdf/-char/ja
https://www.dragonbox.fi/fi/index

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