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暗澹たるコロナ禍の光

本日、10月1日は中国の国慶節(建国記念日)だ。コロナ禍ではあるが中国の某大手旅行会社だけでも6億人の予約があり、例年と同じように何億人もの人々が帰郷や旅行を計画しているようだ。日本でも東京都民がGotoキャンペーンの対象となったり、人数制限はあるもの海外からの入国制限が緩和されるなど人の移動が再開され始めている。

そんななか、サウジアラビアでも約7カ月間停止していたメッカ巡礼者の受け入れを11月1日から再開することが決定しイスラム界には大きな変化を見せている。


人々の移動が再開されることは喜ばしいことだが、不安が残るのも事実だ。

改めて、コロナの感染状況を調べてみると現在までに世界全体で3300万人が感染し死者は100万人を突破している。非常に大きな数字のように思えるが、これまでの感染症の歴史を振り返ると別の視点を獲得することができる。

 14世紀に流行したペストは10年もの間、世界中で猛威をふるい東アジアから西ヨーロッパへと拡がり、ユーラシア大陸の人口の25%を超える7500万~2億人が命を落とした。イングランドでは、10人に4人が亡くなり、イタリアのフィレンツェでは、10万人いた人口が5万人に減少したとも言われている。
 1918年から1920年にかけて流行したスペイン風邪も数か月のうちに世界の隅々まで拡がり、累計で約5億もの人が感染した。これは当時の人口の4分の1を超える。インドでは人口の5%、タヒチ島では14%、サモア諸島では20%が亡くなったと推定されている。これは、同時期に起こっていた第1次世界大戦の戦死者を上回る数だ。
 
ウィルスは戦争以上に多くの人命を奪ってきたのだ。

現代はグローバル化が進みヒト・モノ・カネ、そしてウィルスも今までにないスピードで地球上を移動するようになった。その影響力は過去の何倍にも及ぶだろう。

今こそ人類は共通の敵であるコロナウィルスとの戦いに叡知を結集し勝利しなければならないはずだ、人間同士で争っている余裕などあるのだろうか?

もしかするとコロナという暗澹たる時代は、世界をプラスに変える契機となりうるのではないだろうか?

Text by Nasser




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