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「素人」も「玄人」もない。一本の道の中でどの地点に立ってるかだけ

おつかれさまです!今年のアドベントカレンダーは、小田ピンで挑戦してみます。

年末恒例の32歳児、33歳児対談シリーズを一緒にやってきたTEAM OHAYASHIの小島さん、今年は忙しいみたいで持ち越しとなりました。残念。。。!来年はできるといいな。

今年は、WEB稼業に加え、リバースウッドという薪の販売サービスを始めました。江原さんのローカル複業化ラボに背中を押されてスタートして4ヶ月、ふと思った「素人の価値」について、備忘録的にメモっておきます。

なぜ備忘録かというと、林業を本格的に生業にしたいと思ったから。森がフィールドなら自分は素人スタート。今後、熟練のきこりや、森林業界のアレコレに触れる中で技や知識を深めたり苦労も肌で感じると思います。だけど道を極めることと同じくらい、スタート地点(素人)から湧いてくる発想や疑問も大きな価値がある。

振り返れば(🍺)、それがリバースウッドを形にできた根っこで、自分だけじゃなくて何か新しいこと始める人へ「大丈夫!」と背中を押してあげたい。「ツラいな〜」と感じたときにコレを読み返して1日で回復できる忘備録になったら。。。いいよね!


人生の解像度が足りない話


リバースウッドは、間伐材を薪に再利用することで、暖のインフラづくりと森林整備をローカルで共に実現するために始めたサービスです。薪ストーブが好きなのと「年々上がる灯油代なんとかなんないの」と個人的な疑問がスタートのきっかけ。だけど、暖は暮らしに欠かせなく、暮らしをつくる営みに意義と一緒に、懐かしい楽しさを感じたのを覚えています。

WEBの仕事は僕にとって、目と指を使ったデジタルのものづくり作業。何時間でも没頭できるし、完成品に対して「うん、いいじゃん」なんてフィードバックをもらった日には、今までの苦労だって吹き飛ぶもの。

けどなんだろう、PCの前で1日を過ごし、日々の暮らしと分断されたこの感覚。PC画面と、車から見える景色、部屋の中だけじゃなくて、外側にある無数の変化に気づける毎日がいい。仕事と暮らしが直結していて、一方で得た学びをもう一方に変換しながら、解像度高く人生を送りたいサイクル。

最初に仲間と一緒に薪をいじったとき、目と指以外に、足や腕、そして久々に口を動かして、心地よい疲れを感じまして。「この先もこんな時間が過ごせたらいいな」「どうせやるなら生業にしたい」と今、活動のその先にある林業の世界に足を踏み込もうとしています。


なかなか薪に手を出せない林業業界、薪が欲しい消費者サイド


就活&薪活で、実際にいくつか林業の現場を体験させていただく中で、薪を商売にするハードルの存在を感じました。

林業の世界は想像以上に体力勝負。また管理する山が広く業務を優先すると薪をつくる余裕がない(山の上で間伐された大きな原木を下に運び出すのも一苦労。。)。

薪ストーブユーザーが喉から手が出るほど欲しい薪も、企業として時間とコストをかけ本格的に商売にするのはなかなか難しい。

薪の加工を個人が引き受けるにも、場所(土場)と道具(薪割り機、チェンソー、トラック)が必要で、100万円近いコストと体力、時間を投資する必要があります。となると薪にせず原木の状態で引き取ってくれる人が増えれば流通的には一番いいけど。。。

結果、一部の加工の担い手に需要が集中し「薪がない、薪がない」状態になっています。正確には「薪がない」ではなく、山ほどある間伐材や原木を薪に加工できる人が少ない。


「素人」は考えた!複数人(=コミュニティ)なら解決できるかも


解決策として、薪を自給したい消費者がどんどん森に入っていける仕組みはどうか?

例えば、個人・個人が年間に薪を購入するコストの1/3くらいの価格で運営費を募りコミュニティを運営。生産者となって体を動かしつつ、原木の確保から薪割りまでを全員で分担する。

エクササイズならぬ「マキササイズ」的に斧で薪割り。楽しんでやってくれる人いるかな?と思ったら、いました!(笑)あっという間に6人のメンバーが集まることに。コンテンツとしての「薪」はハマれる魅力を持っているみたいだ。気づけばメンバーはマイ斧をゲット。

もう一つは、原木回収で山に登り、そこで一泊本気のキャンプ。携帯電話の繋がらない(本当にw)闇の中で月を眺める。冬の雪原は確実に絶景だろう。


ヘトヘトでもいい。美味い山飯が食べられれば


この「生産者に回る」という行為は、ある意味最もアクティブな消費行動かもしれない。お金で薪を買うだけでなく、その先の森や環境のことまでアンテナを広げ、マニュアル車のギアチェンジをグリグリと楽しむように、暮らしを自分の手でつくっていく。

山仕事を生業にしている職人さんとって信じられないかもしれないけど、この層は確実にいて、ヘトヘトになったとしても森に行ってみたいと思っている(最後は焚き火を囲んで山飯を存分に味わう!)

しばらく薪割りや林業の現場を体験して、「もうツラい、イヤだ!」とヘトヘトになっても、数日座りっぱなしでPC作業をしていると、また森に行きたくてウズウズしてる自分がいる。

そういうことなんだと思います。同じ行為でも立場によって価値の感じ方は正反対と言ってもいいくらい違う。

リバースウッドはまだまだ道半ば。だけど小さくても形にできたのは、僕が林業の素人で、薪ストーブ好きの消費者だったから。そんなマニアックな消費者が一人でも増えれば、薪の自給自足のベースを底上げし、林業の視点で見た国産材の積極活用のアイデアにも繋がるはず。


本当は「素人」も「玄人」もない。一本の道の中でどの地点に立ってるか、だけ


さて木こりを目指そうか。今は薪の先にある森を扱う仕事がしたいです。

これから目指す道がある人にとって、初めはただただ色んなものが怖いと思います。右も左も左も分からないし、ひたすら怒られる(指導される)し、何をするにも時間がかかる。

でもそれは道を歩く中で一つずつできるようになればいいだけのこと。それより「スタートしよう!」と思った今しか感じられない気持ちや発見には希少な価値があります。

道の始まりとゴール、どこに自分がいるか、ただそれだけ。今立っている場所でしか見えない景色があります。だからそれをずっと大切にしよう。

小さなきっかけに「複業」というラベルづけをできる機会をくださった江原さん、ありがとうございます!

もし自分が林業の世界の玄人になっても、この気持ちは忘れないよう備忘録的にメモっておく。目標の姿は「素人マインドで暮らしをつくる熟練の木こり」ちょっとバカっぽいけどw


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