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人生の3Cについて #WORKING FOREVER28

「人生には、3つのCがあります。」

今から15年も前のお話。卒業を控えた小学6年生だった私たちに、女性の校長先生が送ってくれた言葉が忘れられません。

先生はステージの上で指を三本突き出し、

「それはチャンス、チャレンジ、チェンジです。」

と、にっこり微笑みました。

「みなさんは小学校を卒業し、中学校へ進みます。そして、そのまま進学するお友達もいれば、卒業して働くお友達もいるでしょう。それぞれに嬉しいことも悲しいこともあるでしょう。でも、生きていく中で必ず、みんなにいろんな形でチャンスはめぐってきます。その時はぜひ、チャレンジしてみてください。するとね、何かがチェンジします。チャンスもチャレンジもチェンジも勇気がいることかもしれないけれど、そこを頑張った先にはさらに、たくましく、しなやかになったあなたがいるはずです。もしよかったら時々思い出してみてください。」

「もしよかったら時々思い出してみてください」という語尾に当時、ちょっと感動しました。
日々生活する中で「●●しなさい。」「××してはいけません。」という言葉に囲まれて、なんだか窮屈だなと思っていた私にとって、わずかながらの自由を与えられたように感じたからです。

小学校から大学の16年にわたる学生生活の中で、女性が校長先生だったのはたった1年だったけれど、その1年はすごく印象的でした。
「チャンス、チャレンジ、チェンジ」、この3Cは今でも時々思い出しては自分の心の中でつぶやいています。

校長先生から言葉を贈ってもらってから、幾度か大きめの「人生の3C」と遭遇しました。日々の小さいことも含めると、もう数えきれないほどになります。自分でチャンスをつかみに行ったこともあれば棚から牡丹餅のようなこともあったし、当時はチャンスのように思えないようなことが、振り返って実は「チャンスだった」ということもあります。

12歳の頃、「ふーん、そうなんだ。」程度にすんなりその言葉を受け入れていたからこそ、チャンスに対しどん欲にチャレンジして、チェンジしてこれたのかなと思います。

一方で、歳を重ねるごとに守るものが徐々に増えてくると、また経験が積まれていくと、「チャンス」に対するどん欲さや尖りは少しずつ丸くなっていきます。「チャレンジ」よりも安牌を選びやすくなるし、「チェンジ」よりも現状維持をしたくなります。

それは決して悪いことではないと思うし、自分でしっかり納得したうえでの決断であればいいのですが、「~たら」「~れば」という妄想や無いものねだりはなるべく避けたいものだな、とも思います。

当時の校長先生のお顔はもう、うっすらとした輪郭でしか思い出せません。しかし、凛々しく「シャン」とした彼女の立ち姿は今でも私の脳裏に焼き付いています。きっと彼女は当時私たちに言葉を贈ってくれるまで大小さまざまな「チャンス、チャレンジ、チェンジ」を経験されてきたはず。それを思うと私も「よし!」と奮い立たされます。

何歳であっても、3Cは自分の器を一回り大きくしてくれる。
そう信じて、チャンスと思ったものにはしっかり向き合っていきたいなと思いました。

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