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「ライフログ」という言葉のリバイバル

7~8年前ぐらいでしょうか。スマホが一気に普及し一般化した頃に「ライフログ」という言葉がすごく流行した時期がありました。
私は当時大きな影響を受け、今でも自分なりにいろいろ意識はしているので、自分の感覚としてはまだ「生きている」言葉なんですが、多くの人の感覚としては「聞いたことはある」とか「そんな言葉、あったねぇ」ぐらいのところでしょうか?

ライフログとは?

おそらく私がすぐ上に書いたような感覚が一般的だと思いますので、念のためライフログという言葉を簡単に説明しておくと、「自分の生活や体験を記録しておくこと」なのですが、実はそれはアナログであればこれは太古の昔からあった「日記」ですよね。ただ、デバイスの発達や通信量の増加で、それをデジタルで簡単に、手軽に残せるようになったことで「ライフログ」という言葉も生まれ、当時は一般的に広まりました。「ライフログ」という言葉では認識していなくても、例えばスマホのフォルダにある写真を見れば、その写真の内容と時間・GPSタグなどで「いつ・どこで・誰と・何をしたか」ということは簡単に追うことができますし、実際そうやって記憶を掘り起こしたことがある人も少なくない筈です。

ライフログを再度思い出したきっかけ

今回、私が「ライフログ」という言葉を思い出し、再度考えるきっかけになったのは、まさにコロナの問題です。
コロナの感染拡大に関し、人々が一番不安だったのは、「陽性になってしまった人の感染ルートを知りたい」ということだったのではないでしょうか?
特定の場所でのクラスターや病院の院内感染などいろいろなルートがあったでしょうが、ともあれ、「陽性だった人がどんな行動をとったのか」ということと「自分がどんな行動をとったのか」を突き合わして、重なっていないことを確認して安心感を得たい、という動機と言えます。
陽性だった人の行動に関しては何らか情報をもらわないことにはわかりませんが、一方で自分がどういう行動をとったのかは自分さえきちんと記録していればわかります。だって、自分なんですから。
そして、一応収束気配は見せつつもまだ油断できない今日や、再度気温が下がって感染者が増えるかも知れない秋・冬に向かって、やはり「自分の行動を記録しておく」ということが改めて必要になる時代である、と私は考えるのです。

無意識にライフログの記録をずっとやっていた私の方法

私自身がライフログという言葉を思い出し、改めて考えるようになったのは上に書いたようにコロナがきっかけではありますが、私自身はライフログという言葉を知った頃からなんとなく重要視して、自分の生活習慣に取り入れていました。
スマホの日記アプリを何個か使ったので厳密には私のライフログは一続きにはなっていないのですが、ちょっとでも参考になればと思い、最近の方法を簡単にご紹介しておきます。
<プライベートの記録>
スマホの日記アプリを使用しています。
「起床時間」「健康管理」「食事」「勉強」「特記事項」という大項目を作っておき、これらに関係することを簡単に記入します。
起床時間:文字通り起床時間を記録します。もちろんだいたいでいいのですが、毎日記録しておくと「この時期は調子が良くて早く起きられる」「この時期はどうも起きられない」といったような傾向が見えてきます。
また、私は以前も記事で書きましたが土日なるべく早く起きようと思っているので、それを自分に対しリマインドする効果もあります。
健康管理:コロナ以前は定期的にジムに行っていたのでジムでのトレーニング内容を記入していました。この時期は極力ジョギングか散歩をするようにしているので、何kmぐらい走ったか、歩いたかは記録します。
あとは体重。風呂に入るとき、シャワーを浴びるときに計量した数字を記録します。具体的な数字を記入しなくてはいけないとなると、増えた数字を記入することが怖いので食生活などをある程度自重するようになります。一方、増えた状態からダイエットなどをする場合は、減っていく数字でモチベーションを保つことができます。
また、これからの時期は検温して体温を記入していくことも必要になるかも知れません。
食事:これも毎食何を食べたかを簡単に記録します。仕事が忙しくなるとファストフード等で済ませることが多くなってしまいますが、それも文字にすることである程度自分に対し抑制することができます。
また、単に「昼 牛丼」と書くよりも、少し手間がかかるところを頑張って「昼 吉野家 新宿」ぐらい書いておくと、この日他に書いた情報と連結して「この日は仕事で新宿に行って、意外に時間がかかってしまったからその後で遅い昼ご飯を…」みたいに自分の行動を思い出すトリガーになります。
勉強:例えば英語のリスニングを30分やろうとか、資格の勉強を1章やろうといったような目標を立てた時に、それができたかできないかを記録していきます。これも、もしその日にできないと自分でやったことを書くことができないので、それを回避するために頑張ってやろう、という自分を律する効果があると思います。
特記事項:これはプライベート・仕事を問わず、何か特別なことがあったら書いておくイメージです。休みの日に旅行に行ったとか、久々に古い友人と会ったとか、会社の歓送迎会があったとか、自分が書ける範囲で何でも書きます。
また、例えば定額給付金の書類を書いて郵便局に投函したのであれば「定額給付金投函」とメモしておくと、万一振り込みが遅かった場合に「自分は〇月〇日に投函したのに」ということの記録になります。
他にも「年賀状購入200枚」とか「保険更新2万円」といったようなことを書いておくと、翌年の同じような時期に「あれ、年賀状って何枚買えばいいんだっけ?」とか「保険の更新日っていつでいくらかかるんだっけ?」といったようなことをすぐに検索できます。

<仕事の記録>
これは、Officeのソフトを使用している方なら「OneNote」が一番便利かも知れません。
これに「業務日報」というノートブックを作り、まさにそのものズバリの業務日報を記入していきます。
これの優れているところは、OneNote自体にファイルを添付できるので、今後検索していく際の手間が大幅に軽減できるところです。
例えば、今日見積もりの作成作業をして課長に提出するところまでやったとします。日報には
『6月9日 X社向け見積もり作成 課長承認待ち』
と書き、さらにその見積もりのファイルを貼り付けておけば、明日以降、そのファイルに何らかの修正を加える必要があった際にすぐに探すことができます。
もしくは、今回はいったんこれで承認が取れたとして、来年のこの時期に「昨年の見積もりだといくらで提出していたんだっけ?」ということを確認する場合も、すぐに検索できます。
これらの話はそれぞれの人の業務内容にもよると思いますのであまり一般化はできないと思いますが
・検索性が高い
・リンクが貼りやすい
・(ノート等に比べ)場所を取らない
といったメリットは共通してあると思います。
特に、長く仕事をしていると、過去の大事な資料やメールなどを探すのに結構な時間を要してしまうことがあるのではないでしょうか?
そういった時間を極力短縮するために、「思い出す」「探し出す」ためのラベルをたくさん貼る、ということが可能になります。

「メモ」との違い

私は、近いうちに自分がやりたいことや思考をまとめる「メモ」についてもいろいろ書いてみたいと思っています。
ただ、私がここで書いた「メモ」は、時系列的には比較的未来に向かっていくための思索の足跡で、過去に起こったこと・やったことは極力簡潔に、省力化して「ライフログを残す」ことで記録していきたいと思っています。
そういった意味でも、
メモ(未来に向かう思索)‘=アナログ
ライフログ(過去の記録)=デジタル
と切り分けて考えるとわかりやすいと思っています。
もちろん、過去の経験が未来に影響を及ぼしますし、逆に将来のことを考えるうえで過去の実績も参考にするはずなので、両者は自分の頭の中では密接に結びついている必要がありますが。


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