駐輪場から

月明かりに彫刻された街路樹
地上80メートルでLEDの恒星は光る
桜の花びらは夜風に青ざめて
街中の砂利に秘められた静寂の唄
傾ける耳はどれも夢の最中
人の睡魔は根拠の無い花びらに砕かれ
不安は昼間 雀たちが食い散らかした
彼は颯爽と黙り込む
透き通るような月の視線が
真夜中の前髪に絡み付いて
次の朝まで悲しみを妨げたら
新しい出発の鐘は季節を超える

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