コンビニトイレは公衆トイレになり得るのか



駅の公衆トイレを利用していて、ふと思った。

トイレの使い方は、育ちが出るのではないか、と。


駅でトイレに行くと、何人か並んでいた。次が自分の番となりトイレが空くのを待っていると、とても綺麗なお姉さんが出てきた。そしてトイレに入ると、トイレットペーパーのちぎり方がかなり乱雑だった。両手で握り潰してちぎりとったような切り方だった。人を見た目で判断するのはあまり良くないが、少し意外だった。


一般的に1人でトイレで排泄をする訓練、いわゆる"トイレットトレーニング"は早くて1歳半頃から始まり、個人差はあれど就学前までには1人でトイレに行けるようになる。

逆をいえば、トイレの使い方、トイレの仕方を教えてもらうのは小学校に上がる前まで、とも言える。


家庭のトイレは自分が好きなように使うが、公衆トイレは様々な人が使うし、掃除をするのは自分ではない。そのため少しトイレの使い方に気を使う。

便座を濡らしてしまっていないか、サニタリー用品は適切にゴミ箱に収まっているか、そしてトイレットペーパーは綺麗な切り口か、、


トイレットペーパーの切り口は人によって様々だ。

切り口がガタガタな点は気にしないが、"誰かがベタベタ触った"形跡があるのは少し気になる。

私が潔癖すぎるのだろうか。


こんな話を聞いたことがある。

トイレットペーパーの端を綺麗な三角に折ることは、見栄えがいい時もあるが、マナーとしてはトイレットペーパーにベタベタ触ることになるので、とても好まれる訳では無い、と。

綺麗に一直線にきりっぱなしにしたり、あまり触らないよう片方だけ三角にするやり方が好まれるとの事。


確かに、他人が触った形跡が明らかに見て取れる形を好む人はいない。

ましてやトイレットペーパーは自分の体の一部を拭くものだ。

三角に折るかどうかの論争は別として、明らかに手でちぎった形跡を残すのは一般的にあまり好まれないのではないだろうか。


しかしこれは"習慣"である。

自分で気づいてなおすことはあまりないだろうし、トイレの使い方を大人になってから指摘されることもほとんどない。だからこそ、難しい。

トイレットペーパーの切り方に限らず、トイレの使い方全般、無意識に非常識な使い方をしてしまっている人もいるのではないだろうか。


老若男女が使う公衆トイレだからこそ、トイレの価値観がそれぞれ違う。

ただし"次に使う人が気持ちがいいように""掃除する人が嫌な気持ちにならないように"という最低限の心構えはあった方がいいと思う。




ある都市で、高齢者が外出を控える理由の一つに公衆トイレの少なさをあげる人が多いため、コンビニのトイレを公衆トイレとして使おうという考えがあるらしい。


確かに公衆トイレを増やすという考えはいいと思う。

しかし行政がやることといえば、トイレットペーパーの贈与と、公衆トイレとして使えますよというステッカーの配布のみ。


公衆トイレに対する価値観が統一されず、"綺麗に使う"という考えが十分でない中、この試みはあまりにも酷だと思った。

コンビニ店員が掃除をしているトイレ。

公衆トイレとして指定してしまえば、より多くの、そして色んな価値観を持った人が利用することになるだろう。

掃除が大変になるのは目に見えている。

もしコンビニを公衆トイレにするのであれば、トイレの使い方をもっと羞恥心なく学べる場を設けるべきなのではないか。

一般人のトイレ使用に対する知識の普及の方が、先だ。


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