【I#003】メジャー通貨ペア相場分析まとめ_昨日米国/本日英国経済指標発表に関連して【2022年8月17日午後】

《2022年8月17日1935更新 : 後半の指標発表に関する部分を追記しています

 お疲れさまです。
本日は為替相場の個人的な分析の投稿をまとめます。
 昨日2130には〝米国・カナダの経済指標発表〟があり、本日1500には〝英消費者物価指数〟の指標発表があり、各通貨ペアとも大きく価格が変動している状況です。
 現時点では昨日から投稿している相場分析のまとめのみの記述といたします。

◆メジャー通貨ペア相場分析まとめ( 昨日1730→1950→2315→本日0250→0900→1230→1500 )
(Twitterに投稿した文章とほぼ同じ内容となります)


◇20220816(Tue)1730時点 
▶USD/JPY=133.813
▶EUR/JPY=135.755
▶GBP/JPY=161.129

▷概観 : やや上昇傾向で推移
→USD/JPY : [日足]20SMAの下の陽線[4時間足]20SMAで反転上昇、下向き80SMAも上に貫く
→EUR/JPY : [日足]昨日の大幅な下落後の陽線[4時間足]抵抗線136.0付近、直近は陽線だが下目線
→GBP/JPY : [日足]ユーロ円と同じく昨日下落後の陽線[4時間足]下落中

■まとめ ドル円は昨日の下落をほぼ戻す展開。 ユーロ円とポンド円はまだ下落優勢。 ドル円は先週金曜の下落開始前の価格133.900付近を実線で越えられるかどうか、 ユーロ円とポンド円は下落後の調整上昇波が再度下落に転じるかどうかに注目したいと考えています。

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◇20220816(Tue)1950時点 (価格が推移した幅) 
▶USD/JPY=134.117 (+0.304)
▶EUR/JPY=135.847 (+0.092)
▶GBP/JPY=161.206 (+0.077)

▷各通貨ペア :
→USD/JPY : [日足]陽線[4時間足]上昇中[1時間足]支持線133.900-134.000付近
→EUR/JPY : [日足]下落トレンド強い、現在は陽線[4時間足]抵抗線136.0直下で推移
→GBP/JPY : [日足]ユーロ円と同じく下落後の陽線[4時間足]20SMAで上昇波が若干反発、下落に転じるか注意したい

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◇20220816(Tue)2130米国・カナダ経済指標発表

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◇20220816(Tue)2315時点 (価格が推移した幅) 
▶USD/JPY=134.429 (+0.312)
▶EUR/JPY=136.726 (+0.879)
▶GBP/JPY=162.536 (+1.330)

▷各通貨ペア :
→USD/JPY : [1時間足]本日1600頃からの上昇トレンドの後134.675付近で反転下落、現在陰線2本目[15分足]上昇トレンドの後ダブルトップを形成後下落中
→EUR/JPY : [1時間足]上昇中、抵抗線137.0を目前に下落、陰線1本目
→GBP/JPY : [1時間足]ユーロ円とほぼ同じ、抵抗線162.700付近

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◇202208170250時点 (価格が推移した幅) 
▶USD/JPY=134.313 (▲0.116)
▶EUR/JPY=136.702 (▲0.024)
▶GBP/JPY=162.413 (▲0.123)

▷ 概観 : 下記3通貨ペア昨日23:00頃より下落中
→USD/JPY : [1時間足]支持線134.251付近[15分足]20SMAの下で推移、支持線134.212抜けで短期下目線
→EUR/JPY : [1時間足]80SMAが支持線になりそうな印象。136.600付近にも注意したい
→GBP/JPY : [1時間足]200SMA直上で推移。支持線162.300付近

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◇202208170900時点 (価格が推移した幅) 
▶USD/JPY=134.304 (▲0.009)
▶EUR/JPY=136.570 (▲0.132)
▶GBP/JPY=162.454 (▲0.041)

▷ 概観 : 下記3通貨、上昇トレンドの調整としての下落が一旦終了、再度上昇中
→USD/JPY : [日足]陽線[4時間足]下落トレンド。抵抗線134.698付近
→EUR/JPY : [日足]陽線[4時間足]抵抗線136.910付近 →GBP/JPY : [日足]陽線[4時間足]やや上昇中 ⇦3通貨すべて価格は20日移動平均線より下

■まとめ : 3通貨とも2022年8月10日日本時間夜の下落から上昇中。下落の起点から6~7割以上価格をもどしつつある状況だが、どの通貨も日足20SMAは下向き、20SMAの下で推移中。
ここから強い上昇に転じる場合、日足20SMAを上に抜けるかを初めに最重視したい。
反転下落の場合下位足の状況に注意すべき。

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◇202208171230時点 (価格が推移した幅) 
▶USD/JPY=134.193 (▲0.111)
▶EUR/JPY=136.476 (▲0.094)
▶GBP/JPY=162.430 (▲0.024)

▷ 概観 : 3通貨全て長期下落トレンド、短期上昇波が落ち着いた印象
→USD/JPY : [1時間足]20SMAの下で推移[15分足]20SMAで反転し下落、支持線134.0付近
→EUR/JPY : [1時間足]20-80SMAゴールデンクロス直前、80SMAの傾きは下
→GBP/JPY : [1時間足]20SMA上で短期下落トレンド、支持線162.170

■まとめ : 下落の起点を捉えられたら大きく下落する可能性もある。
ただ1時間足で陽線なので、注文前に下位足でのトレンド転換サインを確認したい。

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◇本日1500〝英消費者物価指数〟経済指標発表

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◇202208171500時点 (価格が推移した幅) 
(この部分は指標発表と同時にレートを見ていたので計測にズレがあると思います)

▶USD/JPY=134.160 (▲0.033)
▶EUR/JPY=136.614 (+0.138)
▶GBP/JPY=162.700 (+0.27)

▷ 概観 : 3通貨ともに上昇中、ポンド円の上昇波が他2通貨ペアに比べ強い。
→USD/JPY : [1時間足]直前の高値134.424に届きそうな上昇波[15分足]急上昇のため下落波に注意
→EUR/JPY : [1時間足]ドル円に比べすでに上昇波が落ち着いた印象
→GBP/JPY : [1時間足]支持線162.655付近

■まとめ :
本日1500発表の英7月消費者物価指数の影響を受けて、為替にも価格の変化が確認できます。
上記3通貨ペアともに急上昇していますが、上昇波の印象がそれぞれ異なるため反転下落波の発生も踏まえて注意したい局面です。


■2022年8月16日(火)および8月17日の経済指標発表に関して
 昨日8月16日火曜日の日本時間21時30分に米国の経済指標が、そして本日8月17日の日本時間15時00分に英国の経済指標が発表されました。
 上記の指標が為替相場に与えた影響をまとめようと思います。

▶発表された経済指標

 昨日発表されたのは米国の「住宅着工件数〈前月比/年率換算件数〉」「米建設許可件数〈前月比/年率換算件数〉」
本日発表されたのは英国の「消費者物価指数(CPI)〈前月比/前年同月比〉」「小売物価指数(RPI) 〈前月比/前年同月比〉」です。
 まず、上記4つの指標の定義を確認していきます。

◆昨日・本日発表の経済指標の定義

▶米住宅着工件数
 「米住宅着工件数」は、アメリカ合衆国の商務省経済分析局が発表する指標です。この指標は〝米国内で当該期間に建設が開始された住宅戸数〟を表します。
 発表時期は毎月中旬、発表内容は前月の月次データとなっています。

この指標の特徴としては、以下の5点が挙げられます。
〇建設業に関連する指標のため、天候状態に左右されやすい
〇月ごとの数値の変動が大きい
〇住宅に関連する個人の消費動向に対する影響度が大きい
〇景気動向を敏感に表し、景気変動の把握に用いられる
〇為替相場で金利に対して注目が集まっている時に注意すべきとされる

 〝米国の住宅関連の建設状況〟を確認できるこの経済指標は、年率換算した件数も同時に発表されています。住宅戸数は季節調整がされているようです。
 住宅の種類については一戸建てと集合住宅を、アメリカ北東部、中西部、南部、西部の地域別に集計しています。この集計に公共住宅は含まれておらず、全体の約8割を一戸建てが占めるようです。
 関連する指数としては、「新築住宅販売件数」「中古住宅販売件数」があり〝米住宅着工件数〟はこれらの指標に先行して発表されます。
 景気動向に関する重要な指数として、また米国の景気関連の先行指標として注目度の高い経済指標です。
 住宅が建設された後には、家具および電化製品などの消費財の需要が増大することが予想されるため、個人消費動向にも影響が大きく、関連性が高い指標となっています。

米建設許可件数
 米建設許可件数は「米建設許可件数」とも表記されます。
この指標も〝米住宅着工件数〟と同じく、米国の商務省経済分析局が発表しています。

この指標の主なポイントとしては、以下の5点が挙げられます。
〇許可件数の増加は住宅ローンの金利引き下げの数か月後に起きる
〇月末時点で未着工の件数も含まれている
〇自然災害や気候変化に影響される
〇米国景気の先行指標として注目されている
〇為替相場で金利に対して注目が集まっている時に注意すべきとされる

 この経済指標は〝米国内で建設を始めるために取得された許可証の数〟が集計された数値です。この数値は季節調整がされていて、年率換算したものも同時に発表されています
 「建設許可件数」は〝住宅の着工前に地方自治体などに許可申請が必要な地域での「許可発行数」〟を調査した住宅関連の経済指標です。
 許可証の件数および前月比の増減によって〝住宅投資〟が好調かどうか、を判断するための指標として重視されています。
 〝米住宅着工件数〟と同じく一戸建てと集合住宅に分かれており、米国内の地域別(北東部・中西部・南部・西部)の数値が発表されます。
 建設許可が下りた住宅はほぼ確実に着工されるため〝住宅建築許可件数〟は、〝住宅着工件数の先行指標〟になります。
 その性質を踏まえて、景気の先行指標としても用いられているようです。
 建築許可は全米のすべての地域で必要とされるわけではないので〝建設許可件数〟〝住宅着工件数〟よりも少ない傾向があります。

▶消費者物価指数(CPI)
 国内の物価の上昇や加工などを表す経済指標であり、「CPI (Consumer Price Index)」と呼ばれています。
 この指数は、国内の国民の生活水準を示す指標のひとつです。
 消費者が購入する消費財やサービスなどの物価の動きを把握するための指標、またインフレ率を分析するための最重要指標として、市場関係者からも注目されています。
 消費者物価指数の中から、変動の激しいエネルギー関連数値や食料品目を取り除いたものを「PPIコア指数」といいます。
 先日米国で発表のあった〝生産者物価指数(PPI)〟が供給側の価格を表すのに対し〝消費者物価指数(CPI)〟は需要側の価格を表します。

▶英小売物価指数(RPI) 

  小売物価指数は〝インフレーションの状態〟を表す指数のひとつであり、「Retail Price Index」の頭文字をとって「RPI」とも呼ばれます。
 英国家統計局により発表され、小売物価指数の算出根拠には住宅価格が含まれているようです。
 生活費の正確な反映を示す〝インフレーション〟を測定する重要な指標です。
 経済状態や国内消費が上向きであることを示唆する指数で、発表の結果が良ければ、英国のみならず〝対象の国の通貨レートは向上しやすくなる〟という特徴があります。
 第二次世界大戦後に開発された指数である〝RPI〟〝消費者物価指数(CPI)〟よりも上昇率が上回ることが多くあります。

◆為替相場との関連性
 それぞれの指標の結果発表は、為替レートに影響を与えます。
その傾向を確認していきます。

▷住宅着工件数
「米住宅着工件数」は、予想以上に着工件数が多ければドル高に、少なければドル安につながる傾向がある
▷米建設許可件数
 予想以上に着工件数が多ければドル高に、少なければドル安につながる傾向
▷消費者物価指数(CPI)
 CPI改善により物価上昇の兆候が表れると通貨高が進行しやすく、物価の下落が見られると通貨安が進行しやすくなる傾向
▷小売物価指数(RPI) 

 予想より高い数値は該当国の通貨高、低い数値は通貨安につながる傾向

 上記の特徴を踏まえて、実際の指標発表結果と為替レートの変動を確認していきます。

◆20220816(Tue)2130発表の米国指標発表の結果

▷米7月住宅着工件数(前月比)
《予想との差》:-7.6% 結果 :‐9.6% 予想 :‐2.0% , 前回 :‐2.0%
▷米7月住宅着工件数(年率換算件数)
《予想との差》:‐8.2万件 結果 :144.6万件 予想 :152.8万件 , 前回 :155.9万件
▷米7月建設許可件数(前月比)
《予想との差》:+2.0% 結果 :-1.3% 予想 :-3.3% , 前回 :-0.6%
▷米7月建設許可件数(年率換算件数)
《予想との差》:+3.4万件 結果 :167.4万件 予想 :164.0万件 , 前回 :168.5万件

本日1500〝英消費者物価指数〟など経済指標発表結果

▷7月消費者物価指数(CPI)〈前年同月比〉
《予想との差》:+0.3%
結果 :10.1% 予想 :9.8% , 前回 :9.4%
▷7月消費者物価指数(CPI)〈前年比〉

《予想との差》:+0.2% 結果 :0.6% 予想 :0.4% , 前回 :0.8%
▷7月消費者物価指数(CPIコア指数)〈前年同月比〉
《予想との差》:+0.3% 結果 :6.2% 予想 :5.9% , 前回 :5.8%
▷7月小売物価指数(RPI)〈前年同月比〉
《予想との差》:+0.3% 結果 :12.3% 予想 :12.0% , 前回 :11.8%
▷7月小売物価指数(RPI)〈前月比〉
《予想との差》:-0.3% 結果 :0.6% 予想 :0.9% , 前回 :0.9%

◆指標発表前後の為替レートの推移

▶昨日2130時点→2145時点の推移
▷USD/JPY : 134.351→134.687まで上昇 (+33.6Pips)
▷EUR/JPY:136.210→136.570まで上昇 (+36.0Pips)
▷GBP/JPY : 161.750→162.314まで上昇 (+56.4Pips)

▶本日1500時点→1515時点の推移
▷USD/JPY : 134.160→134.530まで上昇(+37.0Pips)
▷EUR/JPY : 136.600→136.826まで上昇(+22.6Pios)
▷GBP/JPY : 162.563→162.886まで上昇(+32.3Pips)

 昨日の米住宅着工件数に関しては予想を下振れしましたが、米7月建設許可件数については予想を越える結果となりました。
 昨日の米ドルの推移をみると、大幅に上昇しています。上記の条件から、〝米建設許可件数>米住宅着工件数〟という仮説を立てることができます。
 今回のケースは、ドル高が進行するといわれている二つの指標の〝プラス〟の結果と〝マイナス〟の結果が同時に発表された場合ですが、実際に為替レートは上昇しているものの上記の仮説のほかに何か別のドル高要因があった可能性も視野に入れておく必要がある、と考えています。

 英国の指標発表は前月比RPI以外は軒並み予想を上回る結果となり、ポンド円も実際に上昇しています。

 ここで注目しておきたいのが、指標発表の結果が該当国通貨が含まれる通貨ペアだけでなく、他国の通貨ペアにも影響を与えていることです。
 その要因・背景として考えられるのが経済圏の距離の近さや政治的な関係性の深さなどで、その関係性を指数化もしくは係数化できればこのような指標発表の発表時にも、明確な仮説に基づいたエントリー根拠を構築することができるのかもしれません。

 今後も重要度の高い指標については適宜、まとめと確認、考察をしていきたいと考えています。

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