【I#003-07】『外国為替証拠金取引』について【基礎知識と投資方法】

2022年8月13日、日曜日です。
本日も『外国為替証拠金取引』について投稿していきます。

◆メジャー通貨ペア相場概観(昨日1800→マーケットクローズ時点)

◇202208121800時点

▶USD/JPY : 133.250
▶EUR/JPY : 137.500
▶GBP/JPY : 162.275

◇202208130700付近(昨日1800時点との価格差)

 昨日18:00時点と比較すると、USD/JPYは上昇、EUR/JPYおよびGBP/JPYは下落しています。

▶USD/JPY : 133.533(+28.3Pips)
▶EUR/JPY : 136.939(-56.1Pips)
▶GBP/JPY : 162.015(-26.0Pips)


■2022年8月12日(金)の3つの米国経済指標発表に関して
(この部分の投稿は先ほどの【I#003’】の投稿と一部同一の部分があります)

 昨日の日本時間21時30分と23時00分に『米国7月輸出物物価指数〈前月比〉』『米国7月輸入物物価指数〈前月比〉』および『米国8月ミシガン大学消費者態度指数』が発表されました。

 〝米国7月輸出物物価指数〟〝米国7月輸入物物価指数〟の為替相場に与える影響の重要度は比較的小さく〝米国8月ミシガン大学消費者態度指数〟の影響度は中程度と言われています。


◆上記3指標の為替相場との関連

▷米国輸出物物価指数(United States Export Price Index)


 米国輸出物物価指数〝短期的なインフレ〟の予測に使用されており、為替相場では〝米国輸出物物価指数が伸長すればドル高になる〟傾向があるといわれています。

▷米国輸入物物価指数(United States Import Price Index)

 米国輸入物物価指数は、輸出物物価指数と同じく〝短期的なインフレ〟の予測に使用され、為替相場でも同様に〝米国輸入物物価指数が伸びればドル高になる〟と捉えられるようです。

▷ミシガン大学消費者態度指数

 米国のミシガン大学が調査・集計するこの指数に関しては〝予想より上振れ〟〝ドル高〟〝予想より下ぶれ〟〝ドル安〟の傾向があるようです。

■「ミシガン大学消費者態度指数」および「米国7月輸出 / 輸入物物価指数」の指標発表結果

 為替相場、とりわけ今回はUSD/JPYの変動に大きく影響する上記3指標の結果を確認します。

◇米国7月輸出物物価指数〈前月比〉
[結果]-3.3% [予想]-1.0% [前回] +0.7%
[予想との差]-2.3%

◇米国7月輸入物物価指数〈前月比〉
[結果]-1.4% , [予想]-1.0% , [前回]+0.2%
[予想との差]-0.4%

◇米国8月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
[結果]55.1% , [予想]52.5% , [前回]51.5%
[予想との差]+2.6%

 ドル相場と今回の指標の結果に焦点を当てると〝米国7月輸出 / 輸入物物価指数〟が伸長していないことは〝ドル安〟につながる材料であり〝ミシガン大学消費者態度指数〟の結果発表は予想より〝上振れ〟ており、こちらは〝ドル高〟を想起させる材料という結果発表になりました。

 この記事の冒頭で確認した、「昨日1800時点」と「本日0700時点」のUSD/JPYの価格を確認すると「+28.3Pips」という結果になっています。

 ドル相場における上記の3つの指標の重要度を踏まえてこの結果を見直すと、為替相場における〝重要度の高い〟「ミシガン大学消費者態度指数」の影響が〝重要度の低い〟「米国7月輸出 / 輸入物物価指数」の影響を相殺し、ある程度上回ったのではないか、という仮説が成り立ちます。


◆指標発表後のメジャー通貨ペアの価格推移

◇08122130『米国7月輸出物物価指数〈前月比〉』と『米国7月輸入物物価指数〈前月比〉』の発表直後

▶USD/JPY=133.582→133.841(+25.9Pips)
▶EUR/JPY=137.410→137.487(+8.7Pips)
▶GBP/JPY=162.150→161.990(-16.0Pips)

 〝米国7月輸出 / 輸入物物価指数〟は予想を下回る結果発表でしたが、「USD/JPY」は上昇しています。
 米国7月輸出 / 輸入物物価指数がドル安につながる結果だったのにドル高になったことから〝金融市場に影響を与える別の要素がこの指数の影響を相殺して上回った〟〝もしくはこの指数のドル相場に与える影響が間接的かつ限定的〟〝また時期などの要素による影響の増減がある〟といった仮説を立てることができます。


◇08122300『米国8月ミシガン大学消費者態度指数』発表直後

USD/JPY=133.482→133.827(+34.5Pips)
EUR/JPY=137.233→137.433(+20.0Pips)
GBP/JPY=162.011→162.199(+18.8Pips)

 米8月ミシガン大学消費者態度指数については、予想より結果の数値が上振れたことで大きくドル高となりました。
 ただ、21時30分の上昇の後に投機筋による買いポジションの決済や新規売り注文が相次いだようなチャート形状が確認でき、2300直後の上昇前の価格はほぼ2130の上昇前の価格に戻っています。

◆米国債利回りの変化(2130付近)
[202208112120→2145→2215→2255→2330の順で記載]

▷米国5年債利回り : 2.9541→2.9682→2.9357→2.9372→2.9885
▷米国10年債利回り : 2.851→2.865→2.842→2.840→2.871
▷米国30年債利回り : 3.126→3.138→3.123→3.119→3.150

 指標発表前後の上記3種類の米国債利回りを確認すると、微妙な差はあるものの3種ともほぼ同様に推移しています。
 指標発表前後の各種米国債の利回り推移を整理すると、以下のように変化しています。

5年債 : 上昇→下落→上昇
10年債 : 上昇→下落→上昇
30年債 : 上昇→下落→上昇

 〝米国7月輸出 / 輸入物物価指数〟の結果発表直後は米国債利回り上昇、また〝ミシガン大学消費者態度指数〟発表直後も同様に米国債利回りは上昇しています。

 〝米国7月輸出 / 輸入物物価指数〟の予想を下回る結果(およびマイナスの数値)は〝米国債利回りの上昇要因〟であり〝ミシガン大学消費者態度指数〟の予想を上回る結果も〝米国債利回りの上昇要因〟と仮説を立てて考えることができそうです。
 

■総括
 米国7月輸出 / 輸入物物価指数でUSD/JPYが下落につながらなかった原因は要検証項目としたいです。
 〝決済通貨〟である日本円経済圏側は日本時間が夜だったため、ここに大きな影響があったとは考えにくいです。
 この指数自体の影響力がそこまでドル相場に与える影響力が大きくなかったため、短期の買い勢力の大量のオーダーに中和された、と考えることもできます。
 ただその場合、大量の買い注文の根拠になった事実や相関関係も考慮しなくてはならないので、今後同様のケースが起きた際の検証で少しでも明らかにしていければ、と考えています。


 それでは、昨日の本文のつづきを投稿をしていきます。


第2章 FXの基礎知識 
 第3節 4つのトレードの『型』について


▷「参ノ型」デイトレード
 
 「デイトレード」というのは、FXでもっとも使われている取引手法です。
 取引期間は数時間から数日で〝1日以内に一つの取引を終える〟場合がほとんどです。
 為替レートが予測していたよりも早く想定通りの動きをした場合には、早めに決済をすることもあるので早い時には数分で一つの取引を終えることもあります。
 
 一日以内の取引が多いので、長期的な経済の見通しからトレード戦略を立てるファンダメンタルズ分析をしても効果は薄く、ローソク足などのチャートを分析する〝テクニカル分析〟が重要です。
 デイトレードでも〝スイングトレード〟と同じく、経済指標の発表など、為替レートの変動に大きな影響を与えるイベント時は特に注意が必要です。

 テクニカル分析では、経済指標の発表などの影響は考慮しないため、そういったイベントがあり、為替相場が荒れやすい発表の直前・直後は取引を避けたほうがベストです。
 経済指標などの発表スケジュールは各国の経済カレンダーや、FX取引ツール、FX取引アプリで確認することができます。
 取引しようとしている通貨ペア関連の経済指標発表を控えていて、指標発表の時間にポジション決済時間が被ってしまいそうなら、その注文はしないほうが安全です。

 為替レートの変動を確認することに加えて、経済指標発表スケジュールをチェックしてその時間帯の取引をなるべく避けるようにしましょう。

 
▷「参ノ型 改」スキャルピング
 
 「スキャルピング」というのは、デイトレードよりもさらに短い期間で、何度も取引を行う取引手法です。
取引期間は数分以内で、早ければ新規の注文をしてから数秒で決済をすることもあります。
 
 〝スキャルピング〟のメリットは、非常に短い時間で取引が完結するため、イレギュラーな事態に対応がしやすいことです。
 分刻みのスケジュールで動く世界経済のスケジュールに影響される為替相場の中でトレードするうえで、そのイベントの間を縫うように細かく取引をする〝スキャルピング〟は、経済情勢の大きな変化を受けにくい手法だといえます。
 それに対して、〝スキャルピング〟のデメリットは、常にチャートを見ながら取引する必要があるので短時間でもトレードのための時間を確保する必要があることです。

 短い期間で小さな利益をコツコツ積み上げることがスキャルピングの特徴です。
 もし、数分~数十分の間に推測と異なる為替レートの変動が起きて、大きな損失を出してしまうと、積み上げた利益が一瞬で相殺されてしまうこともこの手法のデメリットの一つです。
 
 スキャルピングを行う上で重要な項目が、〝取引通貨ペアのスプレッド〟です。
 スプレッドが大きな証券会社に口座を開設し、スキャルピングを行うと利益が出しにくくなります。
 また、スプレッドが大きく設定されている〝マイナー通貨とメジャー通貨の通貨ペア〟は、注文を出した時点で一定の含み損になってしまうため、スキャルピングに不向きです。
 マイナー通貨ペアでこの取引手法を用いると、注文後に大きな含み損が発生するため、含み損を出したときのために明確な損切り価格を設定する、または現在の相場で発生しているトレンドに従った方向の注文をし、時間経過で利益が出る可能性を高くする、という工夫が必要になります。

 スキャルピングを始める際には、スプレッドの小さなメジャー通貨同士の通貨ペアを選択することが鉄則です。
 『外国為替証拠金取引』に関する投稿の前段〝メジャー通貨ペア〟で紹介している通貨はどのFX会社でトレードをするにしても〝スプレッド〟が低い傾向があるので中長期のトレードも短期のトレードでも比較的おすすめです。

次回
 第3章 基本的なFX取引の方法
につづきます


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