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手を伸ばしても
手が伸びて掴めたら嬉しく思う。
けれど、ぼくの足元は日陰ばかりで何もない。石くらいなら掴めるだろうけど、今までできてなかったから難しいのだろう。きっとできないかもしれない。
水を飲むことはできるけど、水をすくうことはできない。楽しい時間も、子供達がぼくの足元で歌って踊るばかりだ。それどころか、たまにぼくに何かを投げつけたり、祭りになれば痛めつけたりする時もある。
「あったかいね」
小さな女の子が手で触れてきた。この子の頭を撫でられたら、そうは思っても届かない。でも、せめてこの日陰で昼寝くらいしていってほしい。手が届かなくてもそれくらいなら望んだっていいだろう。
ご清覧ありがとうございました。
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