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何曜日かのホットケーキ

「ねえ、何していたの?」

女の子が覗き込みながら声をかけてきた。覗き込むのはいい。いや、どうだか。少なくともわたしの部屋に見知らぬ子がいることがわからなかった。

「あなたはだれ?」
「あたし」
「名前は?」
「ひみつ」

起こされたばかりのわたしは機嫌が悪くて、いたずらっぽい彼女のやり方に苛立っていた。誰の子だろうか。姉さんか、そういえばずっと遠いいとこの子供が前に生まれてしばらくだとか。

「どいてもらってもいい?」
「どいてもらったらなにしてくれる?」
「わたしが起きることができるよ」
「きょうはおしごと?」
「違うよ」
「じゃあいいじゃん」
「う」

遠慮することもなく、彼女はわたしの上ではねた。どうやって教育されてきたんだか。何曜日だっけ、何曜日だろうがこの気怠さは関係ないかもしれない。あえて言うなら月曜日になるんだけど。

「ねえ、月曜日ちゃん。いつになったらどいてくれるの?」
「月曜日ちゃんってなあに?」
「あなたの呼び名。どうかな、気に入ってくれたかな?」

彼女はもっとはねた。不機嫌そうに荒ぶりながら。

「ちがうもん」
「わかったから、もう。ねえ、お腹空いてない」
「うん」
「ホットケーキ焼いてあげる。クリームもあるから、使っていいよ」
「ホットケーキかあ。じゃあ早くして」

どうやら許してもらえたみたいで、彼女はサッとベッドから飛び降りた。朝から面倒な絡まれ方をしたけれど、ようやく解放されたのだ。
しかし、今日は何曜日なんだろうか。

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