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六甲山の木材は使えるか

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林業の存在しない六甲山の森の木をどうやって流通させ、森林として循環させていくことができるかの無謀な取組み
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#里山暮らし

人はなぜ木に憧れるのか

 先日、YAMAPの春山さんにお話しを聞く機会があって、どれも面白い話だったんだけどその中でも「巡礼」の話がとても印象に残っていた。  『人間の最たる特徴は何かと考えた時に、「巡礼」というものが人間の特徴をよく表していて、その特徴には長距離を二足歩行できる「歩く」ということと、もうひとつは誰かを想うとか自分の存在を超えて何かを願うとか「祈る」ということができる存在て人間の特徴だなと思って、「巡礼」を追っていくことで人間とは何かとかを考えるきっかけになると想う』と。  その

地域材で椅子をつくるということ

安藤忠雄さんの「こども本の森 神戸」の椅子を地域材でつくりました。 僕は、海外の輸入建材の商社から2013年に独立し、地域資源としての木材をものづくりを通して活用し、地域の経済の中で循環するような木材流通の仕組みを作ろうと、様々な活動をしてきました。 事業所を構える神戸には六甲山という山系があり、全国的にも知られている山ではありますが、林業としての位置づけは過去の歴史にはなく、元々防災上の観点で明治後半に広葉樹を中心に植林された樹々で覆われています。そんな六甲山も明治の植

本当のトレーサビリティてなんだろう

 「里山からコナラスツール」が完成しました。約半年間をかけてみんなで作業してきました、里山広葉樹活用プロジェクトの一つの成果として、「顔の見えるプロダクト」のプロトタイプが完成しました。  今回のプロダクトは、デザイン及び製作を馬場田くんと池内くんのMAR_Uのメンバーが担当してくれました。  馬場田くんは、コナラのペーパーコードスツール。コナラの特性である強度と粘りを活かして、出来る限りフォルムを細くしたスッキリしたデザインになっています。またコナラの表情の重厚感を軽快にす