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ダブルスにおける展開とは

 これはテニスのダブルスだけに限った話ではありませんが、つながり、広がりのある展開とはどういうことかについて考えてみました。『展開』という言葉も、その意味に含まれる『つながる』も『広がり』も抽象的概念で広い意味があります。広い意味だけに様々な捉え方があり、それだけ答えの幅も広がります。ただ『展開』がわからない人にとって、広い抽象的概念だけでは、あまりにボヤッとしており、具体的にどうすればいいのかがわかりません。 #ホリエモンがボヤッとした抽象的なこと言う奴はダメだって言ってた 😄 #前田裕二さんは具体 →抽象→転用だと言ってた😄

 まずこの『展開』という言葉は様々なところで使われるのですが、よくある一般例としては会話について使われる『展開』ではないでしょうか。よく会話に展開力がないみたいな話を見聞きすることがあります。会話における展開力のない人というのは一般的に、自分では盛り上がった話をしているつもりでも、実は自分勝手な話ばかりしている傾向があるようです。会話を振り返ってみると「自分ばかり話をしていたな」と感じたり、他人にそのように思われます。一方で展開力がある人の会話は、発言の割合が相手も自分もほぼ同じになっているそうです。当然ながら、相手もその会話が楽しいと思えます。つまり、会話での展開力というのは「相手はこの会話をどのような着地点に持っていきたいのか」「それには何が障害なのか」「自分はどこまでなら譲れるのか」など、忖度度や調整力というものの総合評価である展開力で、会話の進み方はまったく違ったものになります。そもそも『展開』という言葉が、広い意味での抽象的概念のために、すでにテニスでの展開を理解している人にとっては、会話での展開力の話で「そういうことだ」となるのでしょうが、これだけではみなが理解できません。テニスでも、この『展開』という言葉は広い抽象的概念になるのですが、本記事ではダブルスのある場面をピックアップして、それを使って説明していきます。 #私の会話における展開力には目を伏せてください 😁 #←もう誰も突っ込まないよ😄

 まずは場面設定です。

 相手が二人とも前に出て並行陣をとっています。こちらは雁行陣です。相手からサイドにショートボールが飛んできました。一見すると相手のボールが短くなったわけですからチャンスのようですが、ネットプレーヤーからのショートボールは、あまり高く弾みません。少し前に出てサービスライン手前くらいの場所で打てそうですが、ここで考えるべき二択があります。

1、攻撃するか

2、展開するか

この判断には、打つ前の相手のポジションを見ておかねばなりません。相手前衛はとくにです。仮に前衛が前気味に詰めていたとしましょう。

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この場面では攻撃できます。ただしどこに攻撃するかが問題です。その時々の状況にもよりますし、個人レベル、カテゴリによって違うのは事実ですが一般的にはストレートロブで攻撃できます。相当動きがよく、スマッシュ技術が高い人でない限りロブが有効打になります。 #スライスのロブだよ ✌️  #←過去記事みてね✌️

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ここでよくショートクロスばかりに攻撃する人がいますが、相手がどこを守っているかは考えているのでしょうか。確かにこれだけ前衛が前に詰めているので、ロブを上げられた際のチェンジを意識していることも考えられますが、いいショートクロスでも触られてしまうだけでストレートにまぐれショットがいったり、自分のペアが慌ててストレートを守りにいった脇を抜けるセンターに切り返されるリスクが高いです。自信があれば可能ですが、メインに持っていくべきではありません。また、前衛の足元に落とす展開もありますが、ショートクロス同様のリスクがあるため、ロブを何本かあげといて意識づけしてから使うべきでしょう。 #加藤季温くんくらいの技術があればOK

 前衛が前に詰気味であれば、ロブ攻撃をします。その意識づけをさせて前衛の足元、自信のあるときのショートクロスと、この形がまずいとなってくると、ロブと足元の二点待ちに相手前衛がなります。

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 この場面で展開をします。ロブと足元の二点待ちで、少しポジションを下げていることもあり、サイドのボールに対して、あまり前衛は一緒に寄っていません。一見するとストレートが広いのですが、ここではサイドから相手前衛の左足元にコントロールします。外から中へという軌道で相手の前衛にバックボレーさせると、センターケアに入ってくれている、自分の前衛にボールが回ります。もしくは、打った自分のストレートに返球してしまいます。気をつけるのはサービスライン付近まで下がってる前衛にノーバウンドで取らせるように運んでください。この二点待ち前衛の足元に落としてしまうとバウンド処理されて、撃ち込まれたり、切り返されやすくなってしまいます。

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 打ち込みや、角度勝負という攻撃を選択した方がいいのではないかと思ってるのは、打ってる自分だけです。ここで攻撃してくれるのは相手にとっては楽ですし、自分のペアには迷惑なのです。ただし、なぜ、この外から中へ入る足元でバックボレーをさせるとセンターにいる自分のペアに回るのでしょうか。それは、自分の打った軌道に対する相手前衛の入り方が関わっているからです。

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 狙いの本質は、相手に自分が打った軌道の後ろに入れさせたいのです。とくに女性で多い両手打ちバックハンドの人は、慌てて後ろ足(左足)を起動の後ろに入れたがります。片手打ちバックハンドの人であっても後ろ足を軌道の後ろに入れてしまう場合もありますし、前足(右足)を軌道の後ろに入れさせてしまえば、同じようにストレートorセンターにしか返球できません。当然余裕を持たせて後ろに入られてしまうと、そこから軌道の内側に入られてしまいコースの選択肢を増やしてしまうため不利になるため、適切な軌道、牽制などが必要です。 #今日のレッスンでも説明したけど 、私の説明に展開力がない✌️

 一方でサイドのボールに対して、あまり一緒のサイドに寄っていない広いストレートはというと、実は切り返しをくらいやすくなるのです。攻撃できるのであれば、相手から遠いところが有効打になるのですが、ネットより低いところで、ネットに近い場所で打つというのは攻撃が難しいのです。そんな中で中途半端な攻撃的なストレートを打つと、相手前衛は一見取りにいかされているようですが、ボール軌道の内側に入りやすく、打点を前にして切り返しやすいので、自分とペアの間orセンターケアに入ったペアのワイドに上手く打たれてしまいます。

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 今回の記事をまとめると、攻撃するにしても展開するにしても、まずは適切な状況判断が必要だということです。

①自分の状況

②相手の状況

③自分のペアの状況

これを適切に状況判断しての攻撃選択であれば別に構いません。ただし、会話の展開力と同じく自分本位になっていないか、相手の様子、自分のペアとの話し合い、外部から見てくていた人の意見などで、必ず自問自答、反省を繰り返す必要があります。そうすることによって、自分本位の攻撃から、総合的観点からの展開が理解できるようになっていきます。また、技術力の高さ、フィジカルの強さがある人の方が攻撃できる場面が多いのは事実です。ただ、これら高い能力を持ち合わせている人というのは一握りしかいないはずですが。 #会話が下手なのもテクニックの前に勘違いをなんとかしないと 😁   #孫氏の兵法では 、攻撃のことより圧倒的に展開について書かれてる😄

#↓本記事とは状況が少し違うけど、参考になれば♥️


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