むかし書いた韓国コラム #234

 韓国語の発音は日本人にとっては難しい。これをマスターするのはなかなかの難関だ。発音が上達しないという日本人をよく見かけるが、発音も含め韓国人に教わっているケースが多い。この場合、自分の発音が正しいか正しくないかの判定はしてくれても、発音の仕方までは教えてくれない。激音や濃音は日本人にはわかりにくいが、韓国人にとっては発音できて当たり前。発音の仕方を聞かれても、よほどの専門教育を受けていないと説明ができない。逆に韓国人が苦手な日本語の「つ」とか「ざ」の発音の仕方を聞かれても普通の日本人には説明できないはずだ。

 ならば韓国語の発音を上達させるにはどうすればいいか。ちゃんと発音できる日本人に聞くのが手っ取り早い。苦労してマスターしただけに発音のコツをしっかりと教えてくれるだろう。外国語の習得はネイティブに学ぶだけが最上の手段ではない。発音が上達しないとお悩みの方はぜひお試しを。

【解説】
 例えば濃音の「カ」を発音したければ、声を裏返すような感じにすれば良いのだが、そういう微妙な説明を単にネイティブであるだけの韓国人は説明できない。語学学校では会話力向上のために日本人同士でも韓国語で会話しろと指導されるが、発音がまともにできていない日本人と韓国語で会話してもさほど意味があるとは思えないし、発音がおかしくても日本人は遠慮してそれを指摘しない傾向がある。文法は独学でもどうにかなるが、発音の習得はなかなか困難だ。

(初出:The Daily Korea News 2010年7月2日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?