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むかし書いた韓国コラム #650

 肌寒い日が続いているが、あまのじゃくの筆者は冬でもアイスコーヒーを好んで飲んでいる。この時期に知人らとコーヒーショップに行きアイスコーヒーを頼むと大抵は「こんな寒いのにアイスコーヒー?」と驚かれる。

 夏には「以熱治熱」などと言って熱い食べ物を食べるのだから、冬になったら「以冷治冷」で寒さを克服するのだ、などと冗談を言ってみたりもするが、実際のところは、コーヒーショップで長居すれば温かいコーヒーも結局は冷めてしまうから意味がないし、冷たいアイスコーヒーだって屋外ではなく暖かい室内で飲むので、冬場のアイスコーヒーだからといって大騒ぎするような話ではない。

 冷めんは寒い冬の日に暖かいオンドルの部屋で食べるのが通の食べ方、なんて文化があるのだから、暖かい部屋でアイスコーヒーを飲む習慣だっておかしなものではないはず。しかし毎年この時期になるとアイスコーヒーを頼んで奇人扱いされている。

【解説】
 厳寒の日に仁寺洞の伝統茶の店で五味子茶を頼んだ。冷たいのを頼んだつもりだったが、運ばれてきたのは温かい五味子茶だった。厳寒の日に冷たい飲み物を飲むのはあまり理解されないようだ。

 
(初出:The Daily Korea News 2010年11月3日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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