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むかし書いた韓国コラム #20

 保健当局が明らかにしたMERS予防法の中に、「ラクダ肉とラクダ乳の摂取を避ける」という内容があった。これを見て一瞬喜んでしまった当方は実は珍食材マニア。これまで幾多の珍食材を制覇してきたが、ラクダは食べたことがない。当局が予防法に掲げるからには韓国でもラクダを食べられる店があるのだろう。MERS騒ぎが沈静化したら食べに行きたい――そう思ったのだ。

 しかし現実は甘くなく、農林畜産食品部によるとこれまで韓国にラクダ肉とラクダ乳が輸入されたケースは皆無だという。畜産物衛生管理法でラクダは国内販売が認められる肉に指定されておらず、輸入も流通も事実上不可能な状態なのだ。予防法は海外での摂取を前提にしたものらしい。

 そんなわけで、騒ぎが沈静化してもラクダを食べる夢は韓国では叶いそうにない。ただ日本ではラクダ肉を食べさせる店があるという。次の一時帰国時に試してみるのも悪くない。でもこの時期に挑戦するのは少々恐い気がしないでもない。

【解説】
 日本に引き揚げてしばらくして自宅近くにジビエの店ができ、そこでラクダ肉を食べる機会があった。焼いてタレにつけて食べるだけで、これといって肉に特徴があった記憶はない。このときカンガルーやワニなども食べたが、もしかして韓国ではこれらも流通は不可能なのだろうか。ジビエ好きにとっては韓国はつまらない国かもしれない。

(初出:The Daily Korea News 2015年6月10日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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