見出し画像

むかし書いた韓国コラム #462

 ドーナツ店のほとんどがカウンターで店員に商品名を告げて購入するタイプの店だ。商品名はほとんど外来語、しかも長めのものが多く、日本風のカタカナ発音では到底通じない。行列ができているカウンターで店員に「えっ?」と聞き返されると、気後れしてしまい余計に尻込みしてしまう。

 これより難易度が上がるのがピザの宅配注文だ。カウンター越しにやりとりするドーナツ屋は目と目で通じ合うなにかがあるような気もするが、電話でのやりとりでややこしい外来語が並ぶメニューに、サイズ指定と生地の指定までこなすのは少々骨が折れる。

 一方、ソウル市庁舎近くのプゴクク屋。ここはメニューがプゴククだけしかなく、座ればなにも言わなくてもプゴククが出てくる。極端に言えば店に入ってから出るまでこちらはなにも話さなくてもかまわない。韓国語に疲れたときは時々こういう店に逃げている。

【解説】
 プゴクク屋は入店から退店まで一言も発さなくてよいので韓国語ができない観光客でも安心。

(初出:The Daily Korea News 2010年3月25日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?