見出し画像

むかし書いた韓国コラム #653

 南北統一に備えソウル駅の地下に北朝鮮方面に向かう路線を敷設するスペースが設けられる。もともと北朝鮮の元山につながっていた京元線は現在も竜山駅を起点としているが、南北が統一された場合には北朝鮮方面への列車はソウル駅を通すのが妥当との判断によるもの。将来的にソウル駅がユーラシア鉄道の中心駅としての機能を持てるよう関連施設を設けるスペースの確保も検討される。

 2002年に開業した京義線の都羅山駅は将来を見据え南北直通列車用のホームや出入境管理事務所が設置されている。駅構内には「平壌方面乗り場」の表示もあり、駅名標にも平壌までの距離が書かれるなど、統一時代への準備では先行している。ただソウル駅地下にはあくまで線路用の空間を設けるだけなので、ソウル駅で「平壌方面乗り場」の表示を見られるのはかなり先のことになりそうだ。

【解説】
 2002年当時はまだ南北関係も良好で、南北直通列車の運行も現実味を帯びつつあったが、その後の関係冷え込みで直通列車は夢のまた夢となってしまった。

(初出:The Daily Korea News 2017年3月17日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?