むかし書いた韓国コラム #597

 日本の書店で本を買うと無料でカバーをかけてくれる。本好きとしてはカバーは本を汚れから守ってくれるうれしい存在だ。電車の中での読書でも自分が何を読んでいるのか隠してくれる。やましい本を読んでいるつもりはないが、あまり他人には見られたくないのだ。

 韓国の書店で本を買ってもカバーはない。しかし昔は日本のようにカバーをしてくれていた。日本の実家の書棚にはいまは亡き鍾路書籍や乙支書籍のカバーのついた本が残っていた。旅行中に必要になって買った時刻表にまでカバーが掛けられていたのはご愛嬌だ。カバーのサービスはいつごろなくなったのだろうか。

 一方、日本の書店ではやらないが、韓国の書店では必ずやることがある。購入した本にその書店で購入したことを示す小さなスタンプが押されるのだ。あれがないと万引きした本だと思われたりするのだろうか。本を汚されるのは好きではないが、こればかりは仕方がないようだ。

【解説】
 「本を汚される」とはいっても小さなスタンプを押すだけなので目くじらを立てるようなものではないのだけどね。

 
(初出:The Daily Korea News 2014年9月29日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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