むかし書いた韓国コラム #248

 クリスマスシーズン到来で、「赤鼻のトナカイ」の歌が聞こえるようになってきた。この歌に出てくるトナカイの名前は日本では知名度が低いが、「ルドルフ」という。英語の原曲は「Rudolph the Red Nosed Reindeer」というタイトルで、歌詞にもしっかりと名前が出ている。これが日本語に翻訳される際になぜか名前がなくなってしまったようだ。

 韓国でこのトナカイの名前を尋ねると即座に「ルドルフ」と答えられるだろう。この歌の韓国語詞は冒頭から「ルドルフの鼻はとても輝く鼻」と名前が入っているからだ。歌詞を見ると日本語詞よりも韓国語詞のほうが原曲に忠実だ。ただ韓国語詞では「真っ赤な」鼻であることには触れられていない。

 ついでに、韓国語詞では「トナカイ」ではなく単に「鹿」になっている。タイトルは「赤鼻のトナカイ」ではなく、「ルドルフ鹿の鼻」だ。原曲に忠実な訳詞だが、どうしてトナカイが鹿になってしまったのかは謎だ。

【解説】
 原曲の歌詞を見れば、「赤い鼻」であり、同時に「輝く鼻」でもある。それが訳された時には日本語では「赤い」が強調され、韓国語では「輝く」が強調されたのだろうか。日本語版では「ぴかぴかのお前の鼻が役に立つのさ」とあることから、いちおう輝いているということも示されているが、韓国語版では「赤い」ことを示す部分は一切ない。

(初出:The Daily Korea News 2011年12月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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