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むかし書いた韓国コラム #288

 この1年ほどの間に小さなビアパブがあちこちにできている。韓国で「スモールビア」と呼ばれるこれらのお店は、手頃な価格の生ビールと、フライドポテトなどの簡単なおつまみを楽しめる。長居するタイプの店ではなく、軽く一杯飲みたいときにちょうどいい。ビールは2500ウォンほど。おつまみ類も3千ウォンくらいからある。おつまみは値段相応の量だが、大皿にいっぱい出てきて持て余すよりかはましだろう。

 友だち同士でわいわいやるのもいいが、1人客でも敷居が低いのはありがたいところ。1人でマッコリを飲みに行くと店員や他の客から奇異の目で見られ、マッコリとおつまみも量が多く苦しいが、スモールビアなら生ビール2杯におつまみ1品を頼む程度でちょうどよく、会計も1万ウォンでお釣りがくるというリーズナブルさだ。会社帰りにふらりと立ち寄り、さっと飲んで帰るのにちょうどいい。1人飲み派にとっては強い味方だ。

【解説】
 韓国では長らく1人で食事したり1人で酒を飲んだりという習慣はなかったが、だんだんと個人主義を尊重する風潮も高まり、それまで飲食店では忌避されていた「おひとり様」も受け入れるようになってきた。スモールビアはむしろおひとり様をターゲットにしており、これが会社の飲み会には参加したくはないが酒は飲みたいという若者らに受けたのだろう。1人飲みを好む日本人にもありがたい存在だ。

(初出:The Daily Korea News 2014年10月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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