見出し画像

むかし書いた韓国コラム #463

 韓国から日本に帰るときは日本の友人らにメールを送って「来週帰国するから飲みに行こう」などと伝えておく。日本に行くことは「帰国」なのだ。ソウルに戻り友人にメールで「日本ではありがとう。無事に帰国しました」と送ったら、返信で「韓国に行くのも帰国なのか」と質問された。生活基盤がソウルにあるので何の疑問も持たずにソウルに戻ることも「帰国」と言っていたが、たしかにこれでは日本に行くのも韓国に行くのも「帰国」になってしまう。

 念のため岩波国語辞典で調べると、「【帰国】自分の国に帰ること。外国から帰ること」とある。韓国は自分の国ではないので厳密に言えば「帰国」は間違いなのだろう。でも自分の国ではないが「第2の故郷」くらいには思っている。「帰郷」も「帰国」の範疇らしいから間違いではないのかも。

 いずれにせよ、帰れる国が2つあるというのも悪くはないものだ。

【解説】
 これは海外暮らしをする人ならだれもが考える問題らしい。日本に引き揚げてしまったいまとなっては、韓国はもう「帰国」するところではないが、それでも旅行で韓国を訪れると「帰ってきたなぁ」と感じないわけではない。

(初出:The Daily Korea News 2009年7月27日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?