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むかし書いた韓国コラム #749

 文化財庁が近現代産業技術遺物18件を文化財として登録することを決めた。現代自動車が生産した「ポニー1」などが対象だ。「ポニー1」は1975年から1985年にかけて生産された乗用車で、韓国初の量産型固有モデルだ。現代自動車をはじめとする韓国の自動車産業の礎となった。このほか、1959年に導入された研究用原子炉「TRIGA MarkII」、1980年に設置された電気炉、1961年に開発された「延世101アナログ電子計算機」、1965年に生産された韓国初の家庭用冷蔵庫「金星冷蔵庫GR120」、韓国初の白黒テレビ「金星テレビVD191」、1989年開発のワープロ「ハングル1.0」など比較的新しいものも登録されている。いずれも今日の韓国の経済発展を築いた生き証人だ。

 古くなり保存されることなく失われていった貴重な歴史的資料も多い中、こうした産業遺産が文化財として登録されるのは喜ばしいこと。登録文化財のさらなる拡充を期待したい。

【解説】
 近年になり70~80年代の工業製品などへの関心が高まっている。この時代は韓国の経済発展期だが、過去を振り返る余裕などなく、当時の製品が顧みられることなどほとんどなかった。2000年代になると韓国も先進国に肩を並べるまでになり、ようやく過去を振り返る余裕ができたのだろう。当時の工業製品が文化財に指定されているほか、博物館などでも見覚えのある比較的新しい工業製品が収蔵展示されていたりもする。

(初出:The Daily Korea News 2013年6月24日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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