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むかし書いた韓国コラム #803

 タクシーで梨泰院を通り過ぎた際に変わった名前の焼き肉屋を見つけた。ハングルで「ウェヤンカン」という店名だ。これは「牛小屋」を意味する単語だ。これだけでは変わった名前ではないのだが、日本語で書かれた店名は「え~やんか!」となっていたのだ。なるほど、日本人にはなじみのない韓国語の単語をやや強引にわかりやすい日本語にしてしまうというのは、日本人には覚えやすいだろうし、覚えやすい店名ならリピーターも確保しやすいかもしれない。

 しかしながらこのお店、在韓日本人の間ではあまり知られていない。調べてみるとどうも日本人の団体観光客向けのお店らしい。それゆえか、在韓日本人のブログではあまり紹介されていないが、観光で韓国を訪れた日本人のブログで紹介されているのをいくつか見かけた。韓国語に不慣れな日本人観光客を対象にした店ならばこういう工夫も納得がいく。外国人相手の商売というのもなかなか大変そうだ。

【解説】
 この店はその後2014年末ごろに閉店してしまい現存していない。ツアー客向けの飲食店というもの自体が時代にそぐわなくなってきたのかもしれない。写真はネイバー地図のロードビューサービスよりキャプチャーしたもの。

(初出:The Daily Korea News 2011年8月9日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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