むかし書いた韓国コラム #942

 初めて日本に旅行に行くという韓国人。日本語はぜんぜんできないので不安でしょうがない。そこに現れた数回の日本旅行経験があるという韓国人の先輩。不安がっている後輩に、「大丈夫だ。日本では『すいません』さえ覚えておけばどうにかなる」とアドバイスした。たしかにこの一言さえあれば、呼びかけにも、謝罪にも、感謝にも、オールマイティに使える。「初めまして。わたしは金と申します」などと教科書通りに覚えて行っても、旅先で自己紹介をするケースなどまずないのだから簡単な単語をいくつか覚えるほうがよっぽど便利だ。「すいません」だけですべての用が足せるとは思えないが、知らないよりは知っている方がいいだろう。似たような言葉に「どうも」がある。これもいろいろな場面で使えるので覚えておいて損はないはずだ。

 逆に韓国語ではここまでオールマイティに使える言葉はないのかというと、どうもなさそうな様子だ。あれば旅行者には便利なのだけれど…。

【解説】
 最近はスマホを使えばどうにでもコミュニケーションは取れるので「便利な言葉」というのもあまり意味がないのかもしれないけれど。

(初出:The Daily Korea News 2011年2月25日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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