むかし書いた韓国コラム #464

 ノーベル賞受賞者発表の時期になると韓国のメディアはそわそわする。2000年の金大中元大統領以来韓国から受賞者は出ていない。日本人受賞者はコンスタントに増えており、今年も化学賞で2人の受賞者を出している。米国籍の南部陽一郎氏を含め受賞者は合わせて18人に上る。なにかと日本に対抗意識を持つ韓国も、この格差を埋めるのはそう簡単なことではないだろう。

 韓国ではこの数年、「詩人の高銀さんが有力候補」という報道が乱舞している。今年も例外ではなかった。ペルーのバルガス・リョサ氏に受賞が決まると、「韓国文学は翻訳数が少ない」「韓国語の趣のある表現は英語への翻訳が困難」など負け惜しみ的な報道が出てきている。

 スウェーデンアカデミーも「有力候補」などと騒がれている人物は受賞者に選びにくいだろう。韓国も3年くらいノーベル賞には無関心を装って下馬評などの報道を控えれば2人目の受賞者を出せるのではなかろうか。

【解説】
 日本も毎年のように村上春樹が有力という報道が出たりもするのだけど、村上氏が取れなくても日本は物理学賞や化学賞などを相次いで受賞している。文学賞以外で韓国人の候補の名前はあまり聞かれないのは残念なところだ。

(初出:The Daily Korea News 2010年10月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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