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むかし書いた韓国コラム #531

 週末に全州を訪れた。全州と言えば「食の都」。ビビンバやコンナムルクッパなどが有名だが、隠れた名物に「ソバ」がある。たまたま行きのKTXの車中で読んだ車内誌に紹介されていたことでその存在を知り、いいタイミングだったので昼食に食べに行った。韓国語で「ソバ」だが、これはそのまま日本の「そば」のこと。おそらく日本統治時代の名残なのだろう。訪れた店では「メミルソバ」という名前だった。「メミル」はそばを意味する韓国語だ。

 そのメミルソバ、ざるには載っていないものの、つゆにつけて食べるのは日本のざるそばと同様。そばは二八そばで食べ慣れた味だが、つゆは甘めなので日本のものとは異なる。また、ビビンめんのように辛いたれを絡めて食べるソバもある。どちらも日本人好みの味かどうかは意見が分かれるところだが、ビビンバやコンナムルクッパばかりではないご当地B級グルメも一度くらいは試してみる価値はあるだろう。

【解説】
 ざるそば風のほか、温かいだしに入った普通のそばも存在するが、いずれも日本のものとはやや異なる味わい。日本のそばのことは一旦忘れて賞味しなければ正当な評価はできないかも。写真は蔚山で食べた温かいだし入りのそば。慶尚南道宜寧の地方料理だそうだ。

(初出:The Daily Korea News 2014年1月13日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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