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むかし書いた韓国コラム #486

 22日は冬至だった。韓国ではこの日に「パッチュク」という小豆がゆを食べる習慣がある。中には白玉団子が入っていて、見た目はお汁粉やぜんざいに酷似している。しかし日本のお汁粉のつもりで食べると面食らうことになる。小豆がゆはお汁粉のように甘くはないのだ。基本的に塩で味を調えるので、お汁粉とそっくりながら、味は正反対となる。初めて食べたときはびっくりしたが、慣れてくれば小豆本来の味わいを楽しめ、なかなかおいしい。

 おかゆの中身をうどんに代えたのが「パッククス」だ。見た目はお汁粉にうどんが入ったようなもので、いきなり食卓に出されるとちょっと手を出しにくいかもしれない。ただし当然こちらも砂糖ではなく塩で味付けしてあるので決して「甘いうどん」ではない。もともとは江原道あたりの郷土料理らしいが、ソウルでも食べさせる店はいくつかある。日本人にはあまりなじみのない料理だが、一度試してみる価値はあるだろう。

【解説】
 あずき=甘いという日本人の考え方がおかしいだけで、パッチュクもパッククスも決しておいしくないものではない。何年か前には大手食品メーカーからパッククスの即席めんも出ているほど韓国ではそれなりにメジャーな存在だ。

(初出:The Daily Korea News 2011年12月23日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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