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むかし書いた韓国コラム #882

 慶尚南道河東郡が、智異山の空気を詰めた缶詰の工場を竣工し本格的な販売に乗り出す。これまで海外の企業による缶詰はあったが、韓国の自治体が販売するのは初めてのケースで注目される。日本でも富士山の空気の缶詰などが過去に発売されたことがあるが、実用的なものではなく面白グッズ的なものだった。河東郡が作るのはお遊びではなく実用的なもの。スプレータイプで、内蔵されたマスクを鼻に当てて空気を吸うもの。

 売れるかどうかは未知数だ。否定的な見方としては、都市部との差はあるだろうが韓国の大気質の差はそれほど大きくなく、お金を払ってまで智異山の空気を買う需要はないというもの。肯定的な見方は、中国で空気缶ビジネスが一定の成功を収めており、韓国でも大気汚染への関心が高まっているので需要はあるというもの。

 8リットル入り1万5千ウォンで1回1秒使うとして160回使えるという。気になるところだが1回93ウォンは高いのか安いのか…。

【解説】
 一過性のものかと思ったが2022年現在でも販売されているのでそれなりに需要はあるのだろう。空気だからスプレー缶そのもの以外に原材料費はかからないわけだし。なお現在ではペット用にチキンの香りを付けた空気なども売られているもよう。きれいな空気が売りなのに香りを付けてどうしようというのかよくわからない。写真は販売会社の智異エアのフェイスブックより拝借。空気を売っているのだから間違いではないけど航空会社みたいな名前だな。

(初出:The Daily Korea News 2017年7月3日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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