むかし書いた韓国コラム #709

 オンドルが気持ちよい季節とは言え、日本のこたつもなつかしい。さすがに日本から持ってくるわけにはいかないが、どうにか気分だけでも味わいたいと、ちゃぶ台にふとんをかぶせてみた。こたつ板がないのでガラステーブルの天板をはずして載せた。サイズが合わないので不格好ではあるが、なかなかどうしていい感じにこたつが完成した。

 日本の冬の定番と言えばこたつにみかん。はんてんを着込んでみかんをつまみながらこたつで試験勉強をしていた若かりし日の冬の思い出がよみがえる。

 もともとオンドルが効いた部屋なので、わざわざこたつに足をつっこまなくても充分に暖かいし、熱源のないこたつにさほどの効果があるわけでもない。それでもこんな悪あがきをしてまで日本風の生活をしようというのはそろそろ里心がついたのだろうか。冬の間にこたつにあたりに里帰りでもしようか…。

【解説】
 最近では日本から輸入したこたつが売られているらしい。ただオンドルが基本の韓国の住宅でこたつにどれほどの意味があるのか。こたつに郷愁を覚える日本人以外に売れるのか疑問だ。

(初出:The Daily Korea News 2009年12月14日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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