むかし書いた韓国コラム #478

 仁川空港で入国審査の列が「フォーク並び」に変わっているのに気付いた。久しぶりの利用なのでいつ変わったのかは定かでないが、以前はゲートごとに並んでいて、大抵自分が並んでいる列はなかなか進まず隣の列がどんどん進むというナントカの法則という現象が見られたもの。フォーク並びでこうした不満は解消されそうで歓迎したい。

 フォーク並びになる前にはちょっとした裏技があった。外国人用ゲートのいちばん端、韓国人用ゲートの隣の列に並ぶというもの。入国審査は外国人よりも韓国人の方が列の進みが速い。韓国人の列がなくなると係官の裁量で外国人も韓国人用のゲートを使わせてくれたが、その際にはいちばん端の列に並んでいると有利だった。日本からの来客時にはそんな裏技をあらかじめ伝授しておくと「さすが現地在住者は違う」とこちらの株も上がったもの。フォーク並びによりこの技は役目を終えたようだ。現地在住者としての評価を維持するためにまた別の裏技を考え出さなければ。

【解説】
 裏技と言えるかどうかはわからないが、審査ブースではなく脇にある窓口に用事を作って出向くと、用事が終わった後に審査ブースの列に戻されることなくその場で入国のスタンプを押してくれる。一度手持ちのビザに関して不安な点があったためブースに並ぶ前に確認のために窓口に出向いたことがあり、その際にこういう措置が取られた。ただあの窓口に出向くような用事は普通はないと思うので裏技にはならないだろうなぁ。

(初出:The Daily Korea News 2015年12月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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