むかし書いた韓国コラム　#369

　グルメ目的で韓国に来る日本人の知人からのリクエストに変化が現れている。ちょっと前まではネコも杓子もユッケとレバ刺しを希望していたもの。もちろんいまでも根強い需要はあるが、最近はパッピンス（かき氷）を食べたいという人が増えている。

　もともと韓国のパッピンスは具だくさんで豪勢なイメージがあったが、ここ数年で大きく進化している。きなこ餅の入ったものや、キャラメル味にチョコレート味やコーヒー味、トロピカルフルーツを使ったものなど種類が豊富になった。また、氷も口溶けのよいフワフワのものや、牛乳アイスを使ったものもある。日本のかき氷といえばガリガリ削った氷にシロップをかけたもののイメージが強いが、韓国ではおそらく日本のかき氷では商売にならないだろう。

　かくして、知人を引き連れユッケとレバ刺しを含め焼き肉を堪能した後はデザートにパッピンスを食べに行くことになる。生肉を食べた後に冷たいデザート。みなさんお腹が丈夫なようで…。

【解説】
　せっかく韓国に来たのだからもう少し韓国っぽいものを楽しんでほしいとは思うのだけど、それが希望というならガイド役はどこでも連れて行きますよ。訪問客のおかげで自分では積極的に食べに行かないような店に行く機会ができたのはむしろ良かったのかもしれない。

（初出：The Daily Korea News 2014年6月17日号　note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります）